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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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33/43

さんじゅーに



ーパルムSideー



不安そうな顔をしていたアルジェちゃんを少しでも安心させてあげられるよう、撫ぜてあげたけど良かったのかな…。

本当ならハグの一つでもしてあげたかったけど、もう全部わかってると話してしまった以上、過度なスキンシップは避けなくてはダメだよね…。


「ピノのせいでこっそり見守ろうっていう計画が台無しになった…」

「それは…すみませんメルティ先輩。でも、アルジェちゃんも言ってましたけど、いつまでも隠し事を抱えていたら、いつか辛くなるんじゃないかなって思ったんです。今回がいい機会だったのではと」

「珍し。ピノがまともに考えてた」

「パルム酷いよ!? 仲間の事に関しては真面目だよ私は」

「そうだったね…」

私達は一度、真剣に引退も考えるくらい悩んだからこそ、仲間の大切さや、辛いときに力になってくれる人の有り難さは人一倍理解している。


「ヴィオラがアルジェちゃんにあんな態度をとったのはもちろん腹が立ったけど、ヴィオラにも事情があるんだし、ちゃんと話は聞くよ。無理やり謝らせるつもりなんてないし」

「そうだね。私達が言って謝らせたとしてもなんの解決にもならないから」

「でしょ? ヴィオラの口からも事情をちゃんと聞いて、自分で間違っていたと感じて謝れるように力を貸す、それが正解かな?って思うけど、パルムはどう思う?」

「間違ってないと思うよ」

本当にこういう時だけは頼りになるから困っちゃうね。普段はあんななのに。



「メルティ先輩はどう思います?って…スマホで何してるんですか。私、結構考えていい事言いましたよ?」

「話は聞いてた…。でも本人を見つけないことには始まらないでしょ…?」

「見つけたんですか?」

「ううん。でも大丈夫…。社長ちゃんに呼び出してもらったから、社長室に行くよ…」

さすがメルティ先輩。対応が早い。

私達もそれに救われたのだから…絶対に足を向けて寝られない先輩なんだよね。



三人で社長室に行き、メルティ先輩がノック。

すぐに入っていいと許可がもらえた。

室内には社長ちゃんの他に、副社長ちゃんと、当然ヴィオラが。

ヴィオラは不機嫌にしてるかと思ったら、落ち込んで泣いてるね…。無理もないか。


社長ちゃんと副社長ちゃんは業者との打ち合わせがあるからと、私達に任せてくれた。

信頼を裏切らないようにしないと…。


「やっほー。なーに泣いてんの?」

下手したら無神経とも取られかねない態度で、ヴィオラの隣に座るピノ。変に畏まるよりいいか…。

「……っ」

ピノのこの明るさがプラスになればいいけど、逆効果になったら私の出番かな。


「…私のSNSが荒れてるんです…。自業自得なのは理解してますけど、まさかあれだけの事で…。イライラして配信を切っただけなのに…」

「私もSNSは見たけど、あんなの荒れてるうちに入んないって。気にしすぎ! パルムなんてガチで炎上したんだよ。それにくらべたらボヤにもなってないから」

いちいち私を比較に出さなくてもよくない!?事実だからこそ結構くるものがあるよ…。


「でもさ、そんなパルムが今こうしてここにいられるのはなんでだと思う?」

「わかりません…」

「仲間がいるからだよ。社長ちゃん達に、スタッフ、先輩達。それに同期のみんながフォローして助けてくれたからだよ」

「そうだね…。もし私一人だったら辞めてたと思うよ」

「でも皆さんはアルジェちゃんの味方ですよね…?私を叱りに来たんじゃないんですか?」

「わざわざ叱るために来ない。話を聞きに来ただけ…。ましてや泣いてる子に追い打ちかけたりしない…」

「そう、ですか。……アルジェちゃんは落ち込んでましたか?」

「それは後で自分で確認すればいいよ。私達はヴィオラ、貴女と話しに来たんだから」

「わかりました…」


ヴィオラ本人から昨日の出来事を含め、本心をしっかりと聞くためにも、私達は向き合わなくてはいけない。

胸の内を話してくれたら助かるけど、どうだろう。


「…昨日、アルジェちゃんが作ったサンドイッチを写真で見たんです。すごいなって思う反面、どうしてわざわざ注目されているイベントの時に作るんだろう?ってものすごく腹が立って…。その上みんなから絶賛され、登録者数も更に増えてるのを見て、なんて腹黒い子なんだろうと…」

「あははっ。 アルジェちゃんもまさかアレをそういう受け取り方をされてるとは夢にも思わないだろうね!」

「庇うわけじゃないけど、あの子が料理を作ったのは私達が頼んだからだよ。態々お母さんに“配信しながらでも食べやすいものって何かないか”って相談までしたって言ってた」

「ですが! ここは、料理のできない人ばかりだと聞いてます。そこで態々出来るところをみせるとか…まるで出来ない私への当てつけのように感じてしまって」

「気持ちはわからなくはないけどね。私達もできないし。 実はね、昨日アルジェちゃんも夕食の後に真っ青になってマネージャーちゃんに医務室に連れて行かれたんだよ」

「はい? どうしてあの子が…。自分でそうなるように行動しといて!」

どこまでもアルジェちゃんを悪者にしたいんだね。純粋な善意だと理解してる私達とは受け取り方が百八十度違ってて、そういう受け取り方もあるのかと、むしろ感心してしまう。



「あのサンドイッチがトレンドに上がるほど話題になったでしょ…。あれを見て怖くなったって震えてた…。今回はたまたま悪い内容じゃなかったから良かっただけで、もし悪い方向で話題になったら、会社や私達先輩に迷惑がかかるって」

「まさに今の私ですね…」

そこは理解してるか…。


「アルジェちゃんにも言ったけどさ、迷惑なんてかけていいんだよ。いくらでも手助けするし、相談に乗る。一人で抱え込んで落ち込むのだけはお勧めしない」

「うんうん。なんのために会社があって、私達先輩がいると思ってるの? 助け合ってこの業界を一緒に盛り上げていくためなんだよ? それは一人では絶対に不可能なんだから」

「はい…」

「大体さ、アルジェちゃんとそういう“女の腹黒さ”ってのは無縁なんだよ」

「どうして言い切れるんですか!? あんなに見た目も可愛くて、料理もできて…絶対に男にモテるでしょ!?それを本人は自覚してるはずです! わかっててやってるはずですよね?」

「アルジェちゃん、男にモテたらショックだろうね…」

「それはそれで私はイケる」

「ピノの腐った性癖はもういいから」

雑食がすぎる。存在がアルジェちゃんに悪影響なのは間違いないから、本当に気をつけておかないと。


「はい…?どうして…。人によって差はあっても、多かれ少なかれ可愛く着飾ったり、料理を学ぶっていうのはそういう感情が織り込まれてるはずです」

極論が過ぎないかな?純粋に料理が好きな人やファッションに力を入れるのを楽しむ人もいるでしょうよ。

ここまで来るともう笑ってしまいそうになる。だって、アルジェちゃんが可愛くて男にモテるって認めているようなものだもの。

本人が聞いたら複雑な顔をするだろうなぁ。それはそれでちょっと見てみたくはあるかも…。って私までピノに影響受けてる!



「あのね、アルジェちゃん、男の子なんだよ…」

「………は?」

「ま、信じられないだろうけど、ヴィオラも女なら、男からの不躾な視線とか、逆に気をつかわれたりとか、そういう経験ない?」

「当然ありますよ。大学を出てすぐに就職したところではセクハラも受けましたし…」

「だよね。それを踏まえて、一度アルジェちゃんに誘惑するような素振りをしてみたら絶対にわかる。ものすっごい初々しい反応するから!」

「そんな…。信じられません! 皆さんであの子を庇うために嘘をついてるだけですよね!?」

ピノ、流石にセクハラをすすめるのはどうかと思うよ?一番わかりやすいとは思うけど、アルジェちゃんが可哀想過ぎる。


違う手段か…。あ、一番いい方法あるじゃない。

「私もピノもメルティ先輩もこんなつまんない嘘つかないって。どうしても信じられないならうちのメンバーに聞いてみたらいいよ。みんな何かしらキッカケがあって気がついてるから」

「そんな…。じゃあパルム先輩はどこで気が付かれたんです?」

あれはなー。反応が初々しくて年下の子ってこんなに可愛い反応するんだ?ってびっくりしたから忘れもしない。


「私、あの子の教育係なんだけど、出会った初日に気がついたよ。一緒に食堂に行ってね、ご馳走するから好きなもの頼んでいいって言ったのに一品しか頼まないから、大きくなれないぞ?ってこう…胸を寄せてみせたんだよ。あの子スレンダーだから。そしたらさ、真っ赤になって目を逸らしたの。女の子がそんな反応すると思う?」

「年上に慣れないだけだったとか…。じゃあピノ先輩は…?」

そういえばピノがどのタイミングで気がついたのか聞いてなかった。私も気になる!


「え?抱きついた時。いくら華奢とはいえ、女の子にしては柔らかさが足りないなーって。ほら私ってロリっ子好きでみんなに抱きついてるからすぐわかるんだよね。でも抱き心地は悪くなかったね」

「おいコラ、ピノ。未遂だけじゃなかったのか!」

「あ、しまった!」

コイツ…。ほんと目を離すと何やらかしてるかわかんないな! 


「じ、じゃあメルティ先輩は…?」

「見てたらわかる。 例えばスカートで向かいに座ってて気を抜いちゃって足を開いてたりすると、すぐに視線をそらしてくれるし、顔を近づけて話したりすると真っ赤になるから可愛くて…」

「メルティ先輩も何してんですか…。下手したらセクハラですよそれ」

「可愛い反応するアルジェちゃんのせい…」

「これだけ聞いたらヴィオラもなにか一つくらい思い当たることがない?」

「わかりません…。まだそこまで関わる時間もなかったですし」

ある程度一緒にいないとわかんないか。長くここにいる子達は、普段からほぼ同性としか接してないから気が付きやすいんだけどね。


「今、呼んだ…。ちょっと見てたらわかるはず…」

「私、今はあの子と顔を合わせにくいのですが…」

「大丈夫だって。私達もいるんだから! このまま時間がたてばたつほど気まずくなるよ?」

「そうかもですが…」

メルティ先輩、いきなり過ぎますって。アルジェちゃんも困るんじゃ…。手っ取り早いとは思いますけど…。

はぁ…こうなったら、アルジェちゃんには悪いけど、ちょっと付き合ってもらうしかないね。









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