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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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にじゅーはち



買い出しから戻った紲さんと、会社の冷蔵庫に食材をしまう。

「何を作られるのですか?材料を見てもピンとこなくて…」

「昨日がサンドイッチでしたから、今日のお昼はおにぎりにしようかと思いまして…」

「それにしては食材が豊富…。あ!」

「はい。お昼には炊き込みご飯を作ろうかと。他にも摘めるものを細かく作っておきます。ながらで食べられるもののほうがいいかな?と思いまして」

「そうですね…。配信をされているとろくに食事もされない方もみえますから、食べやすいのは喜ばれるかと思います」

紲さんにもお墨付きがもらえたし、よかったよ。


「あっ、居た居た! アルジェちゃん、私達の部屋に来ない?」

お風呂上がりだろうピノ先輩が頭にタオルを巻いたまま、キッチンエリアに。

「アルジェさんをお部屋に連れ込むのは絶対に許しませんよ!?」

「こめんごめん、部屋って言っても私の部屋じゃなくて、配信部屋! 今日は私達がグループ部屋を取れてるんだけど、三人じゃない? 機材はもう三人分あるし、せっかく同盟結んだんだからアルジェちゃん達のチームもどうかな?と思って。メルティ先輩とパルムにはお風呂で話をして、来るって言ってくれたんだけど…」

「そういう事でしたらぜひ」

一人部屋で配信になるのは少し寂しいなって思っていたから嬉しいかも…。

紲さんもそれならオッケーだと許可をくれた。



一度グループ配信部屋にいって、準備だけしておこうと思い、ピノ先輩と一緒に移動。

「賑やかになりそうでうれしいよ」

「僕もあのグループ部屋を知ったあとに、一人部屋の配信は寂しいな…と思っていたので誘ってくださってありがとうございます」

「よかったぁ…。断られたら寝込んでたかも」

そこまでですか!?配信を楽しみにしているリスナーさんが居るのだから、寝込まないでもらいたいです。


部屋は僕達が使っていた部屋で、移動の手間さえなかった。

「まさかここを使ってたとは…」

「少し片付けだけしますね」

お菓子のゴミとかそのままだし…。元々部屋を交代する前には片付ける予定だったからちょうどいい。

「私も手伝うよ」

「すみません、先輩に手伝わせてしまって…」

「ううん。私の部屋の片付け手伝ってくれたじゃない」

そんな事もありましたね…。


「ピノさん、アルジェさんをもうお部屋に連れ込まれたのですか!?」

「紲さん、違いますから…。まだ僕がこちらへ来てすぐの頃にパルム先輩に社内を案内して頂いて、その時にたまたまピノ先輩にもお会いして、その流れでお部屋も見せて頂いたんです」

「そうでしたか…。というか、ピノさん?」

「うん?」

「また散らかしてたのですか!?」

「もう時効! 今はきれいにしてるから!」

「しかも後輩に手伝わせて…これは社長ちゃんに報告案件でしょうか…」

「僕が勝手に手を出してしまったんです。うちにも姉がいるんですけど…片付けのできない人で。今も時々ここからの帰りに寄って、片付けや食事の用意とかしてってるんです」

「どちらが姉なんですか…」

僕に言われても…。ひろみ姉さんは仕事人間なんです。生活力がないだけで。


「それに、ピノ先輩のお部屋はそんなに散らかってなかったですよ」

「アルジェさんがそこまで言われるのでしたら…」

「助かったよアルジェちゃん…! 私ここを追い出されたらもう行くところないの!」

「ご自宅は…?」

「防音も何もない安アパートに住んでたからさ、もう引き払っちゃてるんだよね。ここがもう私の家」

そういえば…パルム先輩も言ってたっけ。 ”ここに住みついてる人もいる”って。

でもまさか完全にアパート代わりだとは思わなかった。


僕もいつまでも実家で迷惑かけるくらいならこちらに住まわせてもらったほうがいいのかな…。

「ピノ先輩、ここって家賃とかいくら位かかるんですか?」

「え? タダだよ」

「え…?」

「もしかしてアルジェちゃんも引っ越してくる?」

「いつまでも実家に迷惑かけるのも…と思ったんですが、タダなんですね」

「うん。だからもともと一人暮らししてた子で、そっちが不便だったりすると引っ越してきた子も少なくないよ。稼いでからは良いところに引っ越していったりもしてるけどね」

「なるほど…」

一度両親と相談してみよう。ダメだと言われたらその時は諦める。


「大丈夫でしょうか…」

「紲さんだってここに住んでるじゃない」

「それはマネジメントの仕事をするにも便利だからです!」

「一緒じゃん。私達も仕事するのに便利だからだし」

紲さんが心配してるのは僕についてだね。安易に発言してしまったけど、よく考えたらここって女性しかいないんだった…。



部屋の片付けが終わる頃、パルム先輩とメルティ先輩もきてくれて。お二人も片付けをするつもりだったようで、終わってたから驚いてた。

「ごめんね、遅くなっちゃって」

「ピノ先輩も紲さんも一緒でしたから、すぐに済みましたし」

「ピノが片付け…?パルム、天気大丈夫?嵐とか雷は困る…」

「今日も明日も晴れの予報ですから大丈夫ですって」

「メルティ先輩、酷すぎません!? 私も少しくらいは…」

「部屋の片付けしなくてイエローカード…。キッチンに食べたアイスのゴミを放置して副社長ちゃんに叱られた…。 アルジェちゃんの盗撮でイエローカード…」

「わかりました! わかりましたから…。でも今日はここをみんなで使うからと思って…」

「ありがとう…ピノ。お疲れ…」

「はいっ!」

メルティ先輩はからかってただけか。淡々と話されるからガチなのか冗談なのかわかりにくい…。


「ピノ、あんたのチームの残り二人は?」

「まだ配信してるから、適当なタイミングで呼びに行くつもり」

「頑張るねー」

「というか、地下で迷ってるだけだよ、あの二人は」

「…あとで迎えにいく?」

「メルティ先輩、そうしてあげてもらえます? あの二人、似たもの同士みたいでフレンドリーファイアでケンカしたりと面白いことになってますが、どっちも方向音痴みたいで」

「ん…でも少し仮眠するからその後…」

「ピノ、アンタが行きなさいよ。チームリーダーでしょ」

「いやー、私人望ないから。言う事聞かないだよね、あの二人」

そう言って笑うピノ先輩に諦めたようにため息をつくパルム先輩。

ソフィリナ先輩とマローネさんはまだ頑張ってるんだ。すごいな…。


先輩方はどこでお休みされるのかと思ったら、この部屋で寝るそうで…。

「起きたらすぐに始められるし。アルジェちゃんは配信するなら私達の事は気にしなくていいよ」 

「パルムのイビキが配信に乗ったりして」

「私はイビキとかかかないし!」

「え…知らなかったの?パルムイビキすごいよ?」

「嘘でしょ!?」

「二人ともうるさい…寝させて…」

「「ごめんなさい」」

メルティ先輩はもうタオルケットに丸まってすぐにでも眠ってしまいそう。

皆さん、一、二時間しか眠らないそうだから、そっとしておこうと思い配信部屋を出た。



時間があるうちに下準備だけしておこうと、キッチンエリアへ。

紲さんと二人で野菜の処理等していたら後ろから声をかけられた。

「アルジェちゃん、お疲れ」

「お疲れ様です! 社長ちゃんも朝早くからお疲れ様です」

「今起きたところだけどね。それより、昨日はありがとう。美味しかったよー」

「お口に合ったようで良かったです」

あくびをしている社長ちゃんに紲さんが飲み物を渡し、飲みながらテーブルでのんびりしている社長ちゃん。


「アルジェちゃん、うちに来てなにか困ってたりとかしてない?」

「はい! 先輩方に助けてもらってばかりですけど」

「そっか! 楽しめてるみたいで良かったよ」

「ありがとうございます。社長ちゃんに声をかけて頂かなかったらこんな体験もできなかったと思うので…」

「うんうん。私の判断に間違いはなかったね!」

「あの…一つお聞きしたいんですが、もし僕が今お借りしている部屋にこのまま住みたいといったら許可はいただけますか?」 

「うちとしては構わないよ。もちろんアルジェちゃん場合は保護者の方の同意が必要になるけどね?」

「両親には相談してみます」

「後は…ピノとかに気をつけてってくらいかな。紲ちゃんもいるし大丈夫だとは思うけど」

「全力でお守りいたします!」

かえってご迷惑かけてしまいそうだけどいいのだろうか…。

なんにせよ両親の許可がなければどうにもならないけどね。


串に焼いたソーセージや茹でたブロッコリー、小さなエビフライや唐揚げを刺していたら、社長ちゃんが欲しがったのでいくつかお皿に乗せて手渡した。

「朝から重たくないですか?もう少し軽いものも用意できますけど…」

「大丈夫! 私は朝からカレーもイケる」

それはすごいな…。僕なら寝起きには絶対無理。


今夜は食べやすいもののアイデアも品切れで、夜ご飯用にはちょうどそのカレーを用意しようと大鍋に仕込んでるのだけど、喜んでもらえるかな。







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