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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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にじゅーご



パルム先輩はグループ配信部屋のテーブルにお皿を並べると何枚か写真を撮影。メルティ先輩も…。

そのままSNSにあげたらしい。


「すっごいよね。こっちはカツサンドで…」

「こっちのたまごサンド美味しい…。こんな厚みのは初めて食べた…」

「コンビニとかで買うのはもっと卵が薄いですもんね。こんなに分厚いのは私も初めてかも…」

「そう…。なのに高い」

コンビニが割高なイメージなのは僕だけじゃなかったみたい。


雑談配信しながらもグルメレポートみたいになってて、作ったこっちとしては照れくさいやら恥ずかしいやら…。配信枠取ってなくて良かったかも。アルジェのキャラがあたふたしてただろうし。

「こっちにアルガードの子たちもコメントくれてるみたいよ」

パルム先輩に言われてそちらの配信に出ているコメントを見ると確かに…。

コメントの頭につくアイコンに印があるからわかるんだよね。

これ、月額まで払って応援してくれている人たちにだけつくもので、確か一月に五百円とかだったはず。


「こっちにも来てくれてる…。アルジェちゃんが配信してないから仕方ないね…」

先輩たちの配信にコメントしても怒られたりはしないからいいけど…。まぁ荒らすような発言すればブロックされたりはするけど、そんな悪いことをする人はいないと思う。なんの特もないわけだし。


ましてや月額まで払っているような人はニューホープという会社そのものを応援してくれてる人がほとんどみたいだから。紲さんからは、何人もに月額を払ってる人もいるって聞いた。

そういう人を浮気者! って言う先輩もいるけど、それもネタみたいなもので、言われるのを期待してる人もいるとか…。

いろんな人がいるね。僕はもうその真っ只中にいるのに、まだ実感がわかない時がある。

気をつけなきゃ…。


「アルジェちゃん食べてる?」

「はい! お口に合いましたか?」

「それはもう! こんなに豪華なサンドイッチは初めてだよ」

「うんうん…ちょーうまい…。しふぁんのものではまんぞくできなひゃそう…」

「メルティ先輩、せめて飲み込んでから話して。何言ってるかわかりませんから」

「無言になるけどいいの…?」

「極端ですか!」

「あははっ…。そこまで喜んでもらえたなら頑張ってよかったです。マネージャーちゃんと副社長ちゃんも手伝ってくださったので、お礼を伝えてくださいね」

「そうなんだ? 元々副社長ちゃんは時々料理してるもんね」

「でも…作ってくれたことなんてない…」

「そうなんですか? 今までこういったイベントのとき、お食事はどうしてたんですか?」

「持ち込みだったり、会社が宅配を使って用意してくれてたよ」

「量が多くなるから仕方ない…。アルジェちゃんのマネージャーちゃんが上げた写真見て驚いた…」

「すっごい量でしたもんね。 アルジェちゃんお疲れ様でした。ありがとね」

「いえいえ! 一人じゃなかったので本当に楽でしたし…。何より先輩方に喜んでもらえて嬉しいです」

「「可愛いなぁ…」」

しみじみと言わないでください…。


その後も食事をしながら雑談配信は続き、先輩たちからたくさんのお礼メッセージが届いて返信に追われた。

みなさんも写真を上げてたみたいで、あちこちで話題になってる。

なんとか量も足りたみたいで何より…。

社長ちゃんとマリーさんがカツサンドの争奪戦をしてたとかってのは見なかったことに…。


片付けをしようとしたら紲さんに止められてしまい、任せてほしいと言われた。

「ありがとうございます」

「いえいえ。私も頂きましたからこれくらいは…」

「紲さんも作った側なのに」

「私は少しお手伝いした程度ですから」

そんなこと無いのになぁ。


「おお…予想してたとはいえトレンドに上がってるよ」

「当然…。ただでさえイベントが話題になってたんだし…」

なんだろうと思ったら…。SNSで今一番の話題ってところに”アルジェの手作りサンドイッチ“って…。

ニューホープの影響力すごい! と思うと同時にものすごく怖くなった…。

なにか一つ間違えたら悪い方向で話題になり、会社や先輩にすごい迷惑がかかりかねない。

今回はたまたまいい方だったってだけだ…。

そう思ったら体か震えてきて…。


僕の様子に気がついたのか、マイクをミュートにした先輩二人。

「アルジェちゃん…?体調悪い?」

「え、えっと…」

「マネージャーちゃん、休ませてあげて!」

「はい!」

「ご…めんなさい…」

「大丈夫…。もう夜だし、そのまま休んでもいい…」

「でも配信の約束が…」

「今は休んで。体調悪い中で無理したらみんなも心配するよ?」

「はい…」

先輩二人に心配かけてしまった…。


紲さんに案内されて医務室に。

ここ、本当になんでもあるよね。しかも、ちゃんと医療資格のある人が常駐してるんだから。

時々無理して長時間配信とかする先輩もいて、ドクターストップとかもあったらしい。

学校の保健室みたいな部屋には、白衣姿の優しそうなお姉さん。

「はじめましてかな? 体調不良ってマネージャーからは聞いたけど…熱はないわね。どうしたの?」

熱はむしろ普段より低いくらい。当然だよね…怖くなって血の気が引いてるような状態で震えてるわけだし。


先生に理由を説明したのだけど、真剣に聞いてくれて…。

「難しい問題ね。有名になるというのは良くも悪くも影響があるわけだから」

「はい…」

「でもね、何かあった時に配信者であるあなた達を守るために会社はあるの。迷惑はかけていいのよ?」

「でも…」

「そんな程度で会社は傾かないわ。社長ちゃんはそういうのを上手く片付けてしまえるの。だからこそここまで大きくなってるのよ?」

「はい…」

「…昔ね、それこそ会社を立ち上げたばかりの頃はよくトラブルがあったの」

社長ちゃんからも、はじめは大変だったって聞いてるけど…。






 



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