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引きこもりの僕が男の娘ヴァーチャルライバーになった話 ~スカウトされた大手事務所には〇〇しかいませんでした~  作者: 狐のボタン


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20/43

じゅーきゅー



パルム先輩が拠点近くに簡単な小屋を立てて、そこから地下へ掘っていく。

「近くに洞窟の入り口がなかったから、面倒だけど掘っていくよ」

「わかりました。出入り口を小屋にしたのは敵が出てこないようにですか?」

「そう! 本当は金属製の扉にしておきたいのだけど、今は無いからね」

「金属製なら壊されにくい…。でも先に武器…」

「わかってます。メルティ先輩にはまっ先に武器を渡しますから」

「ん。じゃあ掘っていこう…」

メルティ先輩、ツルハシなら持っても平気なんだ…。ツルハシでも攻撃は可能だから、てっきり人格変わるかと思った。


僕とパルム先輩で掘っていく後ろで、メルティ先輩はトーチの設置をしてくれてるから明るさもしっかりと確保される。


しばらく掘ると洞窟にぶち当たった。

「結構大きな洞窟だから色々と取れそうだね」

「二人は離れすぎないようにしながら鉱石の確保だ!」

「は、はい!」

武器を構えたメルティ先輩が僕達をかばうように周りの警戒をしてくれてるのがすごく心強い。


「あ…あれ坑道だ! アルジェちゃん、ほら…あの木材で出来た通路があるの見える?」

パルム先輩が見下ろしてるのは、大きく開いたクレバスのような穴。

隣から覗き込むと、下の方に明るい場所があり、普通地下にはない木材が並べられてるのが見えた。あれかな?

「えーっと…はい! 見えました。すこし下に行かなくてはいけませんね」

「うん。でも鉱石とか、運がいいと宝箱もあるから。 メルティ先輩、行ってもいいですよね?」

「大丈夫だ! 敵も見つけやすいから任せておけ!」


今いる場所からクレバスの壁沿いに道を作り、なんとか坑道に到着。

「ここは敵がいることが多い。後ろからついてこい!」

「メルティ先輩の後ろ姿が頼もしすぎます…」

「アルジェちゃんは素直だわ…。だんだんそうも言ってられなくなるから覚悟しておいてね」

「は、はい…」

どういうことだろうか…。

コメント欄も“あー…”とかわかってる風なんだけど…。


坑道と呼ばれるだけあって、きれいに掘られたトンネル。その壁には各種鉱石が見えてて、片っ端からほっていく。

石炭に鉄、ミスリル、オリハルコン、レアなのだとヒヒイロカネ…あとは稀に宝石類が…。薬になるから必要になってくるね。

鉱石にしろ宝石にしろ、上位のものになると石のツルハシでは掘れないから、現場で炉を作り、インゴットにして鉄のツルハシに持ち替えた。


当然メルティ先輩の武器もアップグレード。

「ひゃっはー! 敵は! 敵はどこだ!!」

「あー…やっぱりなっちゃったか」

「まさか武器がアップグレードするとメルティ先輩も…?」

「当たりー。オリハルコンとかヒヒイロカネなんて持ったらもう…ね」

「鉱石拾ってますけどどうしましょう…」

「インゴットにして、剣にできそうなら渡してあげていいよ」

「わかりました!」

鉱石一個でインゴット一個…剣には二個必要だから…。うん、出来た!


「メルティ先輩、ヒヒイロカネの剣です!」

「何!?」

投げ渡したら即装備。

「うぉぉぉー!! 待ってろゾンビ共が!!」

「走っていっちゃいましたよ!?」

「大丈夫大丈夫」

パルム先輩はそう言うけど…はぐれてしまったらどうしよう。まだミニマップしかないのに…。


僕の心配をよそにパルム先輩はコツコツと鉱石を掘り続けているから、僕もそれに習う。

見つけたのは片っ端から掘ってたら、結構な数に。

遠くでメルティ先輩が戦ってるだろう声だけが聞こえる…。

響く声が通話アプリからなのか、同じ部屋にいるからなのかもうわかんない。


「武器が壊れたら戻ってくるから」

「ほっといていいのですか!?」

「掘っといてね」

「あ、はい…」

「今の突っ込むところだよ!?」

「えっ!? ごめんなさい! 話してないで掘れっていわれたのかと…」

「あははっ…。ここまで素直だと逆にびっくりだわ!」

うちでダジャレなんて言うのお父さんくらいだし、言うとこよみに冷たい目をされてるから。まさかパルム先輩が言うなんて思いもしなかったし…。


武器が壊れたら戻ってくる、つまり用意しておかないと危ないって事だよね。

手持ちの木が心許ないから、坑道に使われている木材をいくつか取って、出来上がったインゴットと合わせて剣を追加しておく。


「うぁぁーん! 助けてー! 武器壊れたぁぁ…」

泣きながらメルティ先輩戻ってきましたけど!?

「新しい武器です!」

走ってきたメルティ先輩に投げ渡すと、しっかりキャッチ。

「よっしゃー!」

「勇気百倍みたい…」

「ぶっ…あはははっ!! 今まさにそんな感じだった!」

パルム先輩は大笑いしてて、掘る手も止まってる。

コメント欄も盛り上がってるし、いっか!


しばらく笑ってたパルム先輩も、掘る作業に復帰。

僕自身も鉱石や石炭がたくさん取れるから、面白くて掘り続けてたらまた広い洞窟へでた。

しかも、その洞窟が明るい…?トーチがつけられてるっぽい。


「パルム先輩、洞窟に出たんですけど、トーチがあって明るいんです」

「うん? 待って、私もそっち行くね」

直ぐに来てくれたパルム先輩も洞窟なのに明るいから首を傾げてる。

「ここはもう坑道でもないし、自然にトーチのある理由がないから、多分誰かいるね!」

「なるほど、合流できるでしょうか…」

「そうだね、メルティ先輩も呼んで探そうか」

「は…」

「みーつけたぁー…」

「ひゃぁっ!!」

へ、変な声出た!

「びっくりしたぁ…。ちょっとピノ! 急に出てくるな! しかもゲームの方のボイチャまで使って!」

「それしかアルジェちゃんと話せないし!」

ゲーム側のボイチャ…。えーっと確か∨キー押しながらだよね。


「ピノ先輩、聞こえますか…?」

「アルジェちゃんキターーー!」

耳にキーンとキタ…。

「うるっさい! そっちの仲間は?」

「近くにいるよ。合流しようと思ってね」

「はぁ…。メルティ先輩に話するから待ってなさい!」

「アルジェちゃーん。寂しかったよね?私が来たよ!」

「聞けよコラ!」

コメント欄を見てたら、どうやらピノ先輩は僕らがいる場所を配信を見ながら特定して向かってきたらしい。

執念がすごい…。コメント欄ではピノ先輩がストーカー扱いなのはもう…ね。

ここまで来られると僕も否定しにくい。

だって広いゲームの中で、しかも地下にまできて目の前に現れるとか。もう執念だよ…。


「ピノ。あんたもうアルジェちゃんのストーカーで定着してるけどいいの?」

「間違ってないし!」

「せめて否定してください! ストーカー怖い…」

「うーわ、アルジェちゃん泣かしたらピノヤバいよ!?」

「あっ…ピノ先輩危ない!」

背後にゾンビが! 慌てて手持ちのツルハシで殴ろうと駆け寄り…。

振り返ったピノ先輩はタイミングよく回避。

代わりに僕ががぶりと…。

直ぐにお二人がゾンビは倒してくれたけど…どうしよう…。


「アルジェちゃん大丈夫!?」

「すみません…感染しました」

「ごめん! 私のせいで!! パルム、薬は!?」

「まだ、出来てない! ゾンビ化までの猶予ってどれくらいだっけ!?」

「えーっと、今回はゲーム内時間で半日…」

「てことは三十分か…。ピノ、手伝いなさいよ! アンタのせいなんだから」

「わかってる! 何が必要?」

「今足りないのはビンだけ!」

「了解、ちょっと魔法使い探してシメてくる!」

「…すみません先輩」

「ううん…私こそ。絶対に助けるからね!」

「…どうしたの?」

「メルティ先輩! それが…」

パルム先輩がメルティ先輩に事情の説明をしたのだけど、無言で剣に持ち変えたメルティ先輩はピノ先輩に躙りよる。


「よくも…! うちの大事なアルジェちゃんを…」

「せ、先輩…? わざとでは…」

「許さない! 早くビン取ってこい!!」

「は、はいぃっ!!」

「間に合わなかったら。わかってるな!?」

「はいーーー!」

ピノ先輩はすごい速さで走り去った。なんかすみません…。


「アルジェちゃん、大丈夫…?」

「はい。お手を煩わせてしまってすみません…」

「ううん…。大丈夫。絶対に助けるからね…」

「おおう…。すごっ…」

え…?


「メルティ先輩が武器を持ってるのに冷静なの初めて見た…」

そういえば…。剣持ってるのに暴走してない。

「…アレ?」

「メルティ先輩も自覚無かったんですか!?」

「アルジェちゃんが心配で…」

「これ事件だよ! アルジェちゃんなら武器を持ったメルティ先輩さえ止められる!」

「パルム…失礼だよ…?」

「だって!!」

「ふふっ…。ありがとうございます、メルティ先輩、パルム先輩。もしゾンビになったらひとおもいにおねがいしますね…」

「無理無理! 各方面から恨まれるから!」

「助けるから…! パルム、ここでいいから簡易拠点と、薬を作る為に今出来る限り準備!」

「はいっ!」

「私もビン見つけて来るからね…。待っててっ…!」

メルティ先輩は剣を修理すると直ぐに出かけていった。ごめんなさい…僕のために。


「いやー、まさかだよ」

「何がですか?」

「メルティ先輩さえ虜にしてるから」

「ええっ!?」

「基本、あの人は戦闘大好きで、武器持っちゃうと突っ走るから。周りがついていくしかないの」

たしかに今日も少しそんな感じはあったけど…。

「でも、僕たちが止まれば待ってくれたりしてましたよ?」

「それはね、アルジェちゃんがいるから。後輩の面倒見はいいの。でも、武器を持ってない時限定だったんだけど、今日その常識が崩れた訳!」

「聞こえてる…パルムも後でお仕置き…」

「事実じゃないですか!!」

「アルジェちゃんは特別…。完璧なサポートに感動した…」

「ああ! あれは確かにすごかったですもんね」

「うん…」

たまたまタイミングよく武器を渡せただけなのに。それだけなのに必死に薬を作ろうとしてくれるなんて…。

「メルティ先輩、ありがとうございます。無事に帰ってきてくださいね」

「…絶対戻る! ビンを持って…」



パルム先輩は話しながらも、地下に小部屋を掘り、トーチや扉も設置。

室内にはクラフト台等の必要なものが置かれていく。

素早すぎて手伝う余裕すらないのはもうさすがです。

「アルジェちゃんは、ここで寝てて」

パルム先輩はベッドを置くとそこに寝るようにと…。

「まだ動けますよ!」

「いい子だから、ね?」

「は、はい…」

有無を言わせない圧が…。

コメント欄も僕がゾンビになるんじゃないかって大騒ぎ。

”おとなしく寝て!“ ってコメントも沢山。 寝てて善くなるんだろうか…。








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