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じゅーご



正式なチームメンバーの発表もあったから、会社内ではあちこちでチームごとに集まっているそうで…。

「大半が期間中は会社に泊まりこむけど、パルムは…?」

「私も泊まりです。せっかくのイベントですし、こちらでみんなと過ごしたほうが気分も上がりますから」

「うん、いいね。 アルジェちゃんはここにいるの?」

「はい。未成年なので、副社長ちゃんの隣の部屋を借りれたと聞いています」

「ああ。うちは危ないのもいるから…」

「さっきまでその筆頭みたいなのも来てましたけどね」

「ピノが? なにしに…」

「同じチームになると思い込んでたんです」

「…アホなの?あの子…」

辛辣…。


ゲームに関しての打ち合わせは、まずはリーダー決め。これはメルティ先輩で確定。

次は、初めはなにから手を付けるか…みたいな大まかなものだけ。

これはどのエリアに配置されるかわからないから仕方がない。

チーム毎にランダムらしいし…。

「最悪、地底なんて可能性も…」

「それは勘弁してほしいですね。外に出るのも容易ではないですし」

「その辺は臨機応変にいこう…。アルジェちゃんのサポートはパルムがして。私は外敵から二人を守る」

「お、お願いします…」

メルティ先輩、ヤル気満々だー…。



「すみません、そろそろいいお時間ですので、アルジェさんをお休みさせてあげてください」

「ほんとだ、もうこんな時間! じゃあまた明日ね、アルジェちゃん」

「はい、よろしくお願いします」

「勝ちに行くよ…。また明日ね」

「おやすみなさい」

お二人を見送り、お風呂に入ったりしてたら23時こえてて、紲さんも心配してくれてるから自室のベッドに入ったのだけど、落ち着かない…。


プライベートのスマホを確認したらこよみから大量のメールが…。

忙しくて見てなかったよ、ごめん。

内容は大した用事でもなかったのだけど、返事を送ったら即電話がかってきた。


「どうしたの?もう遅いのに…」

「“ちっとも返事くれないから心配したんだよ! そっちはどう?”」

「専用の部屋まで用意してもらえたから大丈夫」

「“服は気に入った?”」

「やっぱり…選んだのこよみだったんだね」

「“アルジェちゃんに似合うものは私が一番把握してるからねっ“」

それもどうなんだろう。サイズまで詳細に把握されてるのは正直びっくりだよ。


心配してくれていたのは間違いなかったのだから、返事が遅れたのを謝り、少し話をして通話を切った。

家族の声を聞いたからなのか、安心して眠くなってきて…スマホを持ったまま寝ちゃってた。




スマホのアラームで目が覚めて、時計を見たら7時半。

ゲームの開始は十時だから、まだ余裕がある。


キッチンで朝食の仕度をしていたら、突然リビングに知らない人が!!

髪がボサボサで顔も見えず、服も半分脱げたような格好の人がフラフラと…。

意味がわからなくて、紲さんに助けを求めるために和室へ向かったら襖が開いてて、部屋はもぬけの殻。

え…じゃあもしかしてこの人…。

「紲さん…?」

「おはよーございまふ…あるじぇさん」

良かった…知らない人が入ってきてるのかと本気でびっくりした。

それにしても、普段ピシッとしてる紲さんにもこんなスキだらけな姿があるんだと思ったら前より親しみが持てた。キッチリしすぎてる人って近寄り難かったりするし。

もちろんすごく頼りになる人なんだけどね。


「コーヒー飲まれますか?」

「はひ…おねがいひまふ」

可愛らしい人だなぁ。

紲さんは普段からブラックだったから、同じように出したのだけど、飲んだ瞬間に慌てだした。

「え、あ…え!? アルジェさん!?」

「おはようございます?」

「お、おはようございます! すみません、お恥ずかしい姿を…」

「気にしないでください。ここはプライベート空間ですし、気を抜いててもいいと思いますから」

「すぐに着替えてきます!」

紲さんは大慌てで和室に戻ると、中からすごい音が…。大丈夫かな。


少し心配だけど、着替えてる部屋を開けるわけにもいかず、トーストとハムエッグを二人分用意してたら、いつも通りのピシッとした紲さんが。

「朝食いかがですか?」

「いただきます…」

あの姿には触れないのが礼儀だよね?


朝食を食べながら、今日のスケジュールについて再確認。

「個人配信スペースか、グループ配信スペースかどちらを利用されますか?」

「グループ用もあるんですか!?」

「はい。個人用より広く、最大で六人が同時に利用できます」

「あるのも知らなかったので…」

「数が少ないので、今からでは部屋が取れないかもしれませんが確認しますか?」

「そうですね…。でも僕の一存では決められないので」 

メルティ先輩とパルム先輩がどうしたいかもわからないし、確認しないと。


「あ、メルティさんが部屋の確保されていますね」

「そうなんですか?」 

「ええ。後ほどそちらへご案内いたしますね」

「お願いします」

「あの…それでですね?」

「はい?」

「先程の姿のことは…」

「えっと、なんの事でしょう?僕は朝食の仕度をしていたので何も見てませんよ」

「…ありがとうございます」

誰にだって知られたくない秘密くらいあるよね。当然僕にもあるし…。









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