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プロローグ

痒いということの辛さを知っているだろうか。その辛さを常に感じている人々がいる。アトピー性皮膚炎、先天的に過敏な人に生ずる慢性皮膚炎。しばしば喘息、鼻炎、花粉症などを伴い、一種のアレルギーと考えられるが発症機序は不明。痒みという誰にでも分かる感覚による地獄。自分の手で自分の肌を傷つけ、その擦過傷により醜く歪んだ肌を人に差別されることで心を傷つける。そんな体と心を文字通り傷つけていく疾患。これから話す物語はそんな疾患を持つ僕の、傷ついて醜く歪んだ心の、物語。

今まで書いた小説の中でも特に長い連載となります。

題材は僕自身も抱えている病気アトピー性皮膚炎。

題材が題材なだけに不快な思いをする方がもしかしたらいらっしゃるかもしれませんが僕が自分の病気と向かい合い自分の経験なども加えて書いたのがこの小説です。どうかご理解のほどを。

みなさんにお付き合いいただけるよう、楽しんでいただけるように精一杯がんばるのでよろしくおねがいします。