第4章の登場人物・世界観設定など
今回は登場人物や、世界観設定などの簡単な紹介です。
本編ではないので、興味のない方は読み飛ばして問題ありません。
・登場人物
アブドゥル・アルハザード
今日では「ネクロノミコン」として知られる魔導書「アル・アジズ(アジフ)」を著したとされる希代の魔術師。
伝承では見えない魔物に頭から食われるという怪死を遂げた事で有名だが、本作では生存しており、変わらず各地を渡り歩いていた。
東の学術都市メルヴにて、染物職人のハキムに魔術の才を見出し、弟子にしてペトラに向かう。
ムーシュ
星魔女。きらびやかな緑色の派手な衣装を纏っているのが特徴。
白仮面の手先であり、ペトラ遺跡に眠る地の魔神の力を得るべく、盗賊団を脅して遺跡の発掘を行っていた。
光を屈折させ視覚をあざむく魔術を得意とする。実は彼女の本体は肉体ではなく、衣服を染める「染料」そのものであった。
ハキム
若かりし頃の白仮面の本名。一介の染物職人に過ぎなかったが、アブドゥル・アルハザードに見込まれ弟子入りする。
ペトラ大地震の折、瀕死の重傷を負ったアブドゥルを助けようとするが叶わず、現地の住人に致命傷を負うほどの暴行を加えられてしまう。
しかしながらハキムはその時に魔術の力に完全に目覚め、屍病蠅の力で復活し邪悪な白仮面となる。
・用語など
染物職人
王侯貴族の衣服の染色を生業とする職業。染料を直接扱うため、身体に強烈な色と臭いが染みつき、周りからは蔑まれる賤業であった。
屍病蠅
疫病を運ぶとされる、死体に憑く女悪魔。第3章後の幕間を参照。
星魔女
拝火教に伝わる、流星にまたがって地上に降り立ち、悪事を働くとされる魔女。勇者をかどわかし、交わって子を産む事もあるという。
本作に登場するムーシュも星魔女であり、その血を引くというアンジェリカの正体を看破していた。
アル・アジズ
アブドゥル・アルハザードが著したとされる魔導書。一般的に知られる名称は「アル・アジフ」であるが、アジフという言葉はアラビア語には存在しない。
クトゥルフ神話における有名な魔導書「ネクロノミコン」の元ネタである。
・都市、遺跡、地形
ペトラ
通称「崖都」。ダマスクスから約400km南に存在する、古代ナヴァト人が築いた絶壁都市。ペトラとは西方の古語で「崖」を意味する。
岩山に存在するため天然の要害であり、数百年に渡り外敵の侵攻を退けてきた伝説がある。また治水に長け、香辛料の交易で莫大な富を得ていたといわれる。
だが他の交易路が開拓されるにつれその勢いを失っていき、スクル教徒の帝国に征服される。400年前と35年前に起きた、二度にわたる大地震の影響で都市としての機能を維持できず放棄され、古代遺跡となった。
映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」のロケ地となり、一躍有名となる。余談になるが今日では、世界一入場料の高い観光名所となっている。
宝物殿
ペトラに存在する遺跡のひとつ。細道と呼ばれる岩間の道を抜けると到達でき、岩を掘り抜いて造り上げられ、洋の東西の建築技術が融合した文化遺産である。ペトラを代表する玄関口として、観光客の人気も高い。
修道院
ペトラに存在する遺跡のひとつ。宝物殿よりさらに奥に存在し、祭祀を執り行っていた施設と推定されている。基本的なデザインは宝物殿と同様だが、小高い丘の上にある修道院遺跡の天井には大空が広がっている。




