第3章の登場人物・世界観設定など★
今回は登場人物や、世界観設定などの簡単な紹介です。
本編ではないので、興味のない方は読み飛ばして問題ありません。
・登場人物
ガザル
ダマスクス在住の未亡人。バルマク家のジャハルと強いコネクションがあり、顔が広い。
ズルール
禿頭で大柄な中東騎士。八年前、マルフィサの家族を兄を除き皆殺しにした元盗賊騎士。
現聖帝ムーサーよりダマスクス警護隊長の任を言い渡される。マルフィサに惚れ込み、求婚しようとする。
しかし彼は本人も気づかない内に白仮面によって、体内を屍病蠅に侵されていた。
ハーリド将軍
預言者スクルージに仕え、スクル教徒の国家建国と版図拡大に多大な貢献をもたらした、常勝無敗の伝説的な将軍。
その強さは「神の剣」と称えられ、没後140年経った今もなお中東世界の戦士たちにとって羨望の的である。
しかしながら代替わりした聖帝から人気を妬まれ、その晩年は不遇であった事は意外と知られていない。
・用語など
断食祭
年に一度開催される、一ヶ月のあいだ「日の出ている内は飲食をしてはならない」というスクル教特有の修行儀式。
あくまで日中のみの断食なので、スクル教徒の中には夜通し食べて寝不足になったり、かえって肥満になる者もいるという。
余談だが暦の関係上、開催時期は年ごとに一週間ほどズレていく。
初食
断食祭中、日が没した後に摂る事のできる最初の食事のこと。
「貧者へ施す」というスクル教の教義上、初食を振舞う店では無料で食す事ができ、スクル教徒でなくとも利用できる。
格子窓
中東世界の家屋で一般的に見られる、女性用の家屋に取りつけられた網目模様の窓。
外から中を見る事はできず、外敵から女性を護るだけでなく、内から見る景色は幻想的な眺めとなる。
ダマスクス鋼
遥か東方の大半島から伝わったとされる、独特な製法を用いた金属。
美しい紋様が浮き出るだけでなく、通常の鋼より遥かに硬く鋭く、そして錆びる事もないと言われる。
新年祝
断食祭が終わった後に催される祭り。修業が終わり、自由に食べてよい喜びを分かち合う。
その名の通り新たな年を祝い、子供たちにはお年玉が配られる。
屍病蠅
古代パルサ人の信仰していた拝火教に伝わる、蠅の姿で死体に取り憑き、病魔を運ぶという女悪魔。ナスとも呼ばれる。
ズルールの屍病蠅は黒い霧を振りまき、取り憑いた者から活力を奪うという異能まで持っていた。
伝承によれば犬や鳥を飼う事で、屍病蠅の災いを退けられるという。もっともスクル教徒は犬にあまり好意的ではないが……
・都市、遺跡、地形
ダマスクス
通称「古都」。第2章後の幕間を参照。
アンティオキア
アルバス帝国北西部の国境に位置する前線都市。ダマスクスより北に400kmほど行った所にある(現在のトルコのアンタキヤに相当する)。
かつては西方異教を奉ずる帝国の領有都市であったが、150年前ハーリド将軍の活躍によって中東側の領土となる。
《 おまけ 》
クリスマス仕様、サンタクロースのコスプレをしたマルフィサ。




