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第2章の登場人物・世界観設定など

今回は登場人物や、世界観設定などの簡単な紹介です。

本編ではないので、興味のない方は読み飛ばして問題ありません。

・登場人物


ハンス

 マルフィサの従者。彼女の愛馬アルファナを守るため、敢えて帝都に残りアグラマンに降伏。

 アグラマンの勧めでスクル教に改宗し、アルファナの世話係となる。


ジャハル

 パルサ人の名門バルマク家の一族の少年で、ハール皇子とは夜な夜なつるんで女遊びをしていた仲。

 ジャハルの父ヤフヤーはハール皇子の後見人であり、塔の放火事件以降、バルマク家の人々の帝都での立場は危うくなっている。


グレグ

 喰屍獣(グール)。帝都の盗賊詩人(サアーリーク)にして、南部地区を根城にする侠族(アイヤール)の一員。

 第1章1~2話で盗賊団を率い、マルフィサに挑むも見事に返り討ち。それ以来マルフィサを「姐御」と慕っている。


喰屍獣(グール)の少女

 隊商(キャラバン)に紛れて帝都を脱出したマルフィサたちを追跡してきた刺客。強力な神経毒と変身術を応用した変幻自在の攻撃を仕掛けるが、マルフィサの新たな能力に敗れる。

 アンジェリカの意向により見逃され、暗殺任務に失敗し逃亡する。一族を白仮面(ムカンナア)に人質に取られるなど、彼女なりに事情があるようだ。


ヤフヤー

 ジャハルの父にして、ハール皇子の後見人。パルサ人の名門バルマク家の当主。


アブドゥル

 謎に包まれた老魔術師。ヤフヤーとアグラマンに啓示を与える。



・用語など


絹紙(セルプ)

 遥か東方の大国絹の国(セリカン)との戦争に勝利した際、捕らえた製紙職人から伝わったとされる、全く新しい紙。この頃はまだ輸入品であり、一般に普及していない。

 ハール皇子は東方より伝わってきた紙の有用性に気づき、愛用しており、彼の治世では「製紙工場」が建造される事になる。


許可(ハラル)禁忌(ハラム)

 スクル教徒が守るべき戒律。その名の通り「~してもよい」事がハラル、「~してはいけない」事がハラムである。

 部外者からすれば厳格なイメージがあるが、スクル教への帰依はあくまで個人契約であり、個人によって戒律をどれだけ遵守するかの度合いは異なる。

 日本ラノベ業界で有名な「ハーレム」の語源はハラムだが、これの元々の意味は「男子禁制」。つまり女性のみ立ち入りを許された居住空間の事で、イメージされがちな「酒池肉林」という意味合いはない。


アラク馬

 基本的に砂漠地帯で食糧が限られている中東世界では、馬は厳選し少数精鋭でなければならず、大切に育てていた。

 飼育されるようになったのはほんの数百年前で、その起源は北方のヒュルカニアン(註:カスピ海のこと)・ポニーであると言われている。

 預言者スクルージは「幸福や富は馬の前髪から生まれる。馬に与えた麦の一粒一粒は神への善行と心得よ」と教えている。

 砂漠の多い中東では馬が増えすぎると食糧難に陥る為、中東騎士(マムルーク)が乗るアラク馬の大半は牝馬である。こうした事情から、牡馬は優秀な種馬を除き淘汰される。またスクル教徒以外に馬を販売してはならないという戒めもある。


盗賊詩人(サアーリーク)

 自分の悪行を詩にして人々に披露する詩人。現代でいうところのロックシンガーやヘヴィメタルバンドに相当する。

 第1話に出てきた喰屍獣(グール)のグレグも、サアーリークの一人。一人称で自分の「ちょいワル」自慢をするようなもので、大抵の場合、話は盛られまくっている。


侠族(アイヤール)

 中東世界の仁侠組織。要するにヤクザやマフィア。シュッタールとかフィトゥヤーンとも言うが、大体同じ意味。下層民の側に立ち公権力に立ち向かい、時には報復を行う。


隊商(キャラバン)

 交易、旅行、巡礼といった様々な目的のため、しばしば組まれる移動集団。地方の治安は良いとは言えず、大規模な護衛をつける場合もあった。

 一般的には交易に長ける行商人と、馬術に長ける「砂漠の民」の混成チームであり、熟達したキャラバンは1日16時間の強行軍を行い、一週間近く補給なしで耐えるという。


鷹狩術

 「砂漠の民」が生活の為、ハヤブサを飼いならし獲物を取っていた。西方諸国では王侯貴族の嗜みとも言える鷹狩とは、大分趣が異なる。

 鷹やハヤブサは非常に繊細で臆病な生物であるため、育てるには相当な気遣いと忍耐力が必要。むしろ鷹を主人と考え、仕える事が極意だという。

 預言者スクルージも鷹狩をリスペクトしており、「ハヤブサの仕留めた獲物は清浄である。喜んで食しなさい」と教えている。食べ物が限られる砂漠地帯では、貴重なタンパク源なのだ。


鷹とハヤブサの違い

 鷹は中東では珍しく、西方諸国にしか生息していない。中東で鷹狩に使われるのは主にハヤブサである。

 鷹はハヤブサの倍以上の寿命がある。ハヤブサが15年なのに対し、鷹はなんと35年。しかも35年目で新たな羽や嘴が生えてきた場合「生まれ変わり」とされ、さらに35年生き続けるという。



・都市、遺跡、地形


ティグラ川

 帝都マディーンの北東部を流れる川。別名「父なる大河」。


エウプラテス川

 ティグラ川と対をなす川。別名「母なる大河」。


ダマスクス

 通称「古都」。その起源は1万年以上も昔にさかのぼると言われ、アラク人が大都市に築き上げた。最初のスクル教国家が誕生した時、首都にもなっている。

 刀工と交易で栄えた重要都市であり、東方より伝わった「ダマスクス鋼」は独特の流麗な紋様を描き、凄まじい硬さと切れ味を発揮した。

 アルバス帝国の台頭後はその支配下に置かれ、以後政治的中枢となる事はなかった。


ペトラ遺跡

 通称「崖都」。ダマスクスから約400km南に存在する、古代ナヴァト人が築いた絶壁都市。ペトラとは西方の古語で「崖」を意味する。

 岩山に存在するため天然の要害であり、数百年に渡り外敵の侵攻を退けてきた伝説がある。また治水に長け、香辛料の交易で莫大な富を得ていたといわれる。

 だが他の交易路が開拓されるにつれその勢いを失っていき、400年前に起きた大地震の影響で都市としての機能を維持できず放棄され、古代遺跡となった。


アレクサンデラ

 古代アイギュプト王国の頃より栄えた、地中海(メソジオス)に面する沿岸都市にして学術都市。全盛期には「世界の結び目」と呼ばれるほど繁栄した。

 都市名の由来は、アルバス帝国よりも広大な版図を得たとされる伝説上の帝王の名であり、世界の果てまで照らすと言われた「ヴァロス大灯台」が現存している。

 また世界最大の規模を誇る大図書館をも抱えていたが、ヴェルダン教徒の侵攻の際、その蔵書の大半が焼失したという。

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