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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
4章 大森林の遺物
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83話 お節介な美人ママ

ヤツら撤退したみたいだな。

魔物を引き寄せて撤退させる作戦は上手くいったけど、釣れすぎだな。

想定よりも魔物が多い、とはいえそこまで強くない魔物ばかりだし、手間はかからないか。

無属性魔法«魔法弾・連(ラッシュ)»

魔法を魔物の群れに撃ち込んでいく。

狙いをつけなる必要などないほどの密度のため、面白いように当たり、その数を減らしていく。


「ようやく倒しきりましたか。疲れた。」

グラッジの暗黒術のせいで全身を軋むような痛みが襲っている。

今は何もしたくないほど疲れ果てていた。


それから何時間たったのかは分からないが、

「おーい、嬢ちゃーん、どこだー!」

という声が聞こえてきた。

のそりと身体を起こして、

「こっちです!」

と手を振った。

「そこにいたのか!待ってろよ!そっち行くから!」


「嬢ちゃん、なんでこんなところいるんだ?」

「まぁ、いろいろあったんですよ。ところであなたの家族は大丈夫だったんですか?」

「ああ、みんな避難してて無事だったよ。死んでたのは冒険者とか兵士ばっかりだったみたいだ。後は黒フードどもの死体もそこら中にあったらしい。」

「それはよかったです。申し訳ないんですが、連れて行ってもらえます?全身が痛くて。」

「分かったよ。って怪我してるじゃないか。」

「あ、本当ですね。気づいてませんでした。」

全身を見てみると、腕に巻いた包帯から血が滲んでいた。

腕の傷が暗黒術の起点になっていたのか。

「俺の家に来い。嬢ちゃんは命の恩人だからな。」

「お言葉に甘えさてもらいます。」


「俺の女房はエミナっていってな、美人なんだよ。息子もいるんだけどな、悪ガキで手がつけられないんだ。」

「へー、そうなんですか。」

「ここが俺の家だ。…帰ったぞー。」

「あら、おかえりなさい。探し人は見つかったの?」

「ああ、この子だ。メイっていうんだ。」

「どうも、メイと言います。」

「あら、可愛い子ね。夫を助けてくれたそうで、ありがとうございます。」

「大したことはしてませんよ。」

「そんなことは後で話してくれ。腕を怪我してるみたいなんだ。」

「本当ね。包帯持ってくるわ。」


「持ってきたわよ。」

「ありがとうございます。あまり見ない方がいいですよ。気持ち悪いですから。」

そう言って包帯を外す、腕の傷痕全体から血がでいたようで、血が固まっている。

それを水で洗いながら包帯を巻いていく。

「その皮膚の爛れ方は普通じゃありえないわ。」

「何があったんだ。そんな怪我は見たことがない。」

「呪いですよ。バークスさんには言いましたけど、呪いをとくためにここまで来たと言いましたよね。」

「ああ、そうだな。じゃあ、呪いが解けたらその傷は治るのか?」

「治りませんよ。この傷があることが正常だと身体が認識してしまっています。だから、治ることはありません。いや、元に戻ることはないですね。」

「そんな!女の子にこんな傷があるなんて!誰につけられたの!」

「ま、魔物にですよ。」

少し気圧されながら応える。

「嬢ちゃんが困ってるだろ。そういえばあの子は?」

「もう寝たわ。今日は大変だったから。」

「そうか、嬢ちゃん。明日俺たちの息子を紹介するよ。今日はゆっくり休んでくれ。」

「ありがとうございます。お世話になります。」


その夜は泥のようにグッスリと眠った。

無属性魔法«ラッシュ»・・・前に使っていた無属性魔法«マジックボール»連弾という技術を魔法に昇華したもの。魔力効率が良くなり使いやすくなった。

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