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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
4章 大森林の遺物
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82話 悪魔の爪

「キャアアア!?」

あっちに襲われている人がいるようだ。

面倒だけど、助けに行くか。


「この子の命だけは助けてください。だ、誰かこの子だけでも、お願いします。」

「母親の鑑だな。だが、ダメだ。俺はガキが大嫌いだからよ、おいガキを連れてこい。」

「何をするの!やめて!」

無理やり子どもと母親を引き離す。

「さて、どうやって殺してやろうかな、ギャハハ!」

「グワッ!」

「ギャア!」

「お前ら何やってるんだ。」

子どもを掴んでいた男が後ろを向いた瞬間、子どもを掴んでいる手を切り落とした。

「…え?ッッッギャアアア!?手が、俺の手が!」

「大丈夫ですか?」

「ありがとうございます!」

「あっちに早く逃げなさい。」

「本当にありがとうございます!」

母親は子どもを抱きかかえ、走っていった。

子どもは終始何が起こったのか分からない様子で、ポカンとした表情だった。

「お前は何者だ!」

「雑魚と話す気はありません。動かないでくださいね。苦しめてから殺してあげますから。」

敵に接近し、剣を振ろうとしたとき男の身体から違和感を感じた。

その違和感の正体を探るために一旦距離をとる。

「お前は何者だ?俺の術を見破るなんてただのガキじゃねぇな。」

「人に名前を聞く時は自分から名乗るのが礼儀ではないですか。」

「ハッ!お前面白いな。いいぜ、名乗ってやるよ。俺は天理教団、悪魔の爪(デモンクロー)のグラッジだ。またの名を怨嗟のグラッジ。敵地でここまで余裕でいられるとはな。危機感の無いバカか、危機感を感じる必要の無い強者か、お前はどっちだ?」

「さあ?自分で見極めて見なさい。」

そう言った瞬間二人の姿が消えた。

ガギン!

二人がいた場所の中間地点から金属のぶつかる音が聞こえた。

消えたわけではなく、高速で移動しているのだ。


二人がぶつかりあった時以外はほとんど姿が見えず、地面を踏み込む音と、移動時の風切り音だけが聞こえる時間が続いた。


「てめぇのその傷いい恨みが込められてるな。」

「恨みなんていいわけないでしょう。」

「暴走しろ。暗黒術«怨嗟の陰»」

「何を…クッ!アアアアアアァァァァ!?」

「これこそが俺の必殺技。恨みを暴走させるんだ。恨みを暴走させると痛てぇからな、正常な判断が出来ずにミスをするんだ。そこにつけ込むってわけだ。だが、お前は何をしたらそんなに恨みを溜め込むのか分からねえな。常人なら痛みでショック死するレベルなのによ。なぜ耐える、楽になっちまおうぜ。」

「ハア、ハア、…なぜ耐えるかだと?まだ死ぬわけにはいかないからだ。私の帰りを待っている人がいるから。」

「てめぇみたいな人殺し誰が待つんだよ。現実を見ろ。俺たちのような人殺しは表の世界では生きていけないんだよ。」

「それでも私は帰らなければならない!聖気全力解放。」

ドクン!

そのとき、何かが脈動したような音が聞こえた。

「大変です!魔物の群れがこちらに来ています!」

「何?…おいお前、何をした!っていねえし!逃げやがった!」

「グラッジ様!指示を!」

「今の人数で魔物と戦うのはキツイ、撤退するぞ。」

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