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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
3章 新たな仲間と敵
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55話 怪盗シグルの事情

メイがキマイラと戦う数時間前


怪盗シグル視点


俺は怪盗シグルだ。悪いことをしているヤツらからお金を盗む義賊というやつだ。

どうしてこんなことをしているかって?

カッコイイからに決まっているだろう。

衣装や仕草をカッコよくすることでたくさんのファンがいるのだ。

特に女性ファンが多いようで、姿を現したときにかけられる歓声はとても気持ちがいい。


バコッ


「痛ってぇな。何するんだよ。サキ。」

「気持ち悪い顔してたからつい。」

「つい。じゃねぇよ!」

この暴力女はサキ。俺の相棒であり、父親が違うが実の妹だ。

戦闘はからっきしだが、魔道具や魔法を使ってサポートをしてくれる。


バコッ


「痛いって言ってるだろ!」

「失礼なこと思ったでしょ。」

「そ、そんなこと思ってないぞ。」

「カイトは嘘をつくのが下手。」

「おい、この姿のときはシグルと呼べと言ってるだろう

。」

「誰もいないし別にいいじゃん。」

「気持ちの問題なの!」

「はぁごめんごめん。」

「はいとごめんは一回だと何度も言ってるだろう。」

「カイト…じゃなかったシグル、小姑みたいだよ。」

「うるさいわ。」


俺の本名はカイトだ。

日本人のような名前だろ?

俺とサキは転生者だ。前世では幼なじみだった。

普通の高校生活を送っていた、そのはずだった。

突如、南極に大きなヒビができたらしい。

その余波で南半球の生物のほとんどは死滅してしまったらしい。

人類も例外ではなく、いきなり全人口の半分が死亡してしまった。

原因の究明と対処方法が研究されたが、何一つ進展しないままヒビは広がっていった。

俺は何かできるかもしないとヒビの調査隊に志願した。

家族もサキも止めたが、何もしないのは嫌だった。


調査をしに行った場所は地獄だった。

生物は死滅したと聞いていたが、変な生物が大量に発生していて、調査隊のメンバーを次々に殺していった。

やっぱり俺は物語の主人公にはなれないんだと自分に迫る大きな爪を見ながら思った。

そこで意識が途絶え、次に気づくと赤ん坊になっていた。

そして俺は前世と同じカイトという名前をつけられた。

そしてその2年後妹が産まれた。サキと名付けられたその赤ん坊はなんだか懐かしいと感じた。

その後、両親は病で死に、孤児院に引き取られた。

孤児院では良くしてもらったが、色々なところから借金をするくらい厳しいらしい。


自分たちが転生者で幼なじみだったと分かったのは最近のことだ。

サキは太陽のような性格の可愛らしい少女だった。

しかし、転生してからは暗い性格になってしまい、極度の人間恐怖症になってしまった。

俺が死んだ後何かが合ったに違いないが、あっさりと死んだ俺には何も分からなかった。


俺たち二人で始めた泥棒家業だが、盗んだ金はその街の孤児院に寄付し、その残りは日雇いの仕事で稼いだ金として俺たちのいる孤児院に渡している。

聖教会が孤児院を運営していて、俺たちの孤児院もシスターが世話してくれている。

シスターや孤児院のチビッ子どもとはサキは話せるので、その調子で人間恐怖症を治してほしいと思っている。

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