46話 地獄絵図
子供を預かる制度を修学制度
その子供を修学生と呼称することにします。
他の話もその名前に変更していきます。
「ぎゃあああ!」
朝から修練場に悲鳴が響く。
「あんなにほざいていたのにこの程度ですか?」
「クソッ!まだだ!」
「その根性だけは認めてあげましょう。」
「グハ!」
腹を蹴飛ばして距離をあける。
「避けてみなさい。」
魔法を連射してかすらせる。
「ヒィ!」
この訓練は5対1で、私に一発当てられたら終わりというルールだ。
最初、彼らは私のことを舐めていたのでこのルールをのませるのは簡単だった。
もちろん私がお坊ちゃまやお嬢様に負けるはずなど無く。
四人は私の魔法から逃げまどうことしか出てきていなかった。
だが、一人だけ何度吹き飛ばされても立ち向かおうとするやつがいた。
ここまでされてまだ挑もうとするとは、調k…しつk…とにかく、性格を叩き直せば役にたちそうだ。
私だったら一目散に逃げるのに。
「お疲れ様って言いたいんだけど、容赦なさすぎない?」
「あれくらい避けてもらわなければ。」
「私にも出来ないんだけど。」
「彼らはカレンの護衛候補ですよ?あれくらいできないでどうすると言うんですか。」
「あの子たち疲れきって倒れてたよね。メイそこに魔法撃ち込んでたじゃない。」
「ちゃんと外してますよ。」
「徐々に近づけてなかった?」
「はい。避けなければ死ぬと印象づけたかったので。」
「朝の8時から昼の2時まで休憩無しでずっとやってたんでしょう?」
「はい。私も疲れましたね。」
「ほとんど魔法使ってただけだよね?」
「ときどき近づいて殴ったりしてましたよ?」
「本気じゃないんでしょう?」
「当然です。私が本気で殴れば弾け飛びますから。」
「それがおかしいんだけど。はぁ、あの子たちどうしてるかしら?」
「部屋で寝てるんじゃないんですか?」
「疲労困憊って感じだったもんね。」
「あの程度とはもっと頑張ってもらわないと。」
「やめたげてよ。」
「大丈夫です。私の訓練は限界ギリギリまで追い詰めますが、そこで終わらせますから。」
「限界かどうかなんて分かるの?」
「見れば分かりますよ。」
「メイには何が見えてるのか分からなくなる時があるわ。」
「そんな大げさな。」
「メイくんお疲れ様。面白そうな子いた?」
「いましたよ。確か、クレソンでしたっけ?」
「ああ、あの子か。どんな感じだったんだい?」
「何度吹き飛ばされても立ち上がるんです。」
「ほう、それはいいね。」
「はい。性格を矯正することが出来れば大いに役立つ人材になるでしょう。」
「君にそこまで言わせるとはね。他は?」
「うーん、今回体を酷使させる訓練だったので体力の有無が分かったくらいなので、あまり参考にはならないんですよね。」
「なんで参考にならないことしたの?」
「どちらが上か分からせるためです。上だということを分からせるには力でねじ伏せることが一番手っ取り早いんですよ。」
「本当にあの子たちの冥福を祈るわ。」
「死なないので大丈夫ですよ。」




