45話 クソガキ
今日、屋敷に寄子の貴族が子供を預けに来るらしい。
「どんな子たちが来るのかしら。楽しみね。」
「そうですね。どんな方なのでしょうね。」
「来たようだよ。」
馬車が数台来るのが屋敷の窓から見えた。
「旦那様、お客様がお着きになられました。」
「ありがとう、セバス。」
執事がそう言った。
ちなみにだが、セバスという名は執事の家系の当主が襲名しているらしい。
辺境伯とカレンについて玄関に行くと、20人以上の男女と5人の子供がいた。
大人の方は外面は笑顔で取り繕っているが、内面では何を考えてるか分からないな。
子供はカレンを見てニヤニヤとしている。大方親に取り入ってこいと言われたのだろう。
取り繕うということをしないせいで何を考えているのかまる分かりだ。
そのせいでカレンが少し怯えている。
私は視線を遮るようにカレンの前に立った。
その時ようやく私の存在に気付いたようだ。
「そこのお嬢さんはどなたでしょうか。」
「この子は娘の護衛のメイと言うんだ。」
「あら、こんな小さな子がですか?」
「屈強な男は娘が怖がってしまうからね。」
「そうでしたか。」
「さて、あちらで話しましょう。メイくん、彼らを部屋に案内してきてくれ。」
「承知致しました。」
辺境伯とカレンと別れ、部屋に案内している最中人気の少ない所を通ると、
「なんだお前は。」
「カレン様の護衛のメイだと紹介されたはずですが。」
「護衛だと?お前のようなチビがか?ハハハ、冗談がキツイな。つくならもっとマシな嘘をつけよ。この領地はこんなチビを雇わないといけないくらい人がいないらしいぞ!」
「「ハハハ」」「「クスクス」」
「はぁ、言いたいことはそれだけですか?それだけなら行きますよ。」
「何も言い返さないのか?ん?」
「はぁめんどくさいですね。辺境伯様に言いつけますよ。」
「いいぞ。だが、もしそんなことをすれば痛い目をるのはお前だぞ。ハハハッ。」
相手をするのが面倒になった私は無視して歩き出した。
「無視してんじゃねぇ!」
後ろから殴ろうとしてきた腕を掴んで投げ飛ばした。
「うわ!」
「馬鹿なことやってないで行きますよ。」
その後は何も無く部屋に着いた。
「子供たちはどうだった?」
「酷いですね。私だけでなくこの領地のことまで悪く言うなんて、何を考えているのか。」
「少し厳しくいかなければならないようだね。戦闘訓練は君に任せてもいいかな。」
「私がですか?使い物にならなくなりますよ?」
「それはどれくらいの間使えないんだい?」
「一晩寝れば回復します。日中の間はシゴくので他のことは何も出来ませんよ?」
「それなら一日おきにやってくれないかな?」
「了解しました。お任せください。」
「君にシゴかれるとは彼らもかわいそうだね。」
「自業自得です。気にする必要はありません。」