392話 反省
襲撃から数日が経った頃、いくつかの報告がなされた。
「背後関係は分かりましたか。」
「ああ、依頼主は想像通り貴族派の1人だ。俺たちが支配範囲を広げていく過程で潰した組織が貴族と繋がってたみたいだ。で、資金源を潰された報復に襲撃させたみたいだな。」
「なるほど。恨まれるとめんどうですね。」
「この世界では良くあることだ。」
「手を引きたいとか思わないんですか?」
「そんな事を言ってアンタに契約違反だと襲われる方が怖いな。」
「別に言うだけならタダですよ。本当に手を引くなら記憶処理を受けるか死んでもらいますけど。」
「茶を啜りながら平然と言うなよ。とにかく、俺たちの仕事は終わりだ。」
「ええ、この事は辺境伯様に伝えます。引き続き計画を進めてください。」
「後は帝国での進捗だな。帝都の一部を支配下に置いた。時間があれば帝都全体を支配する事も可能だ。」
「追い詰められれば予想外の反撃をくらう事があります。油断はしないように伝えてください。」
「分かっている。」
「それでは」
屋敷に帰ってきたメイは空間魔法で書類と顛末を書いた報告書を辺境伯の元に送り、仕事を完了させる。
「ふう、報告完了ですね。それにしてもまだ魔物の騒動が続いているとは衛兵隊も困っているようですね。」
「ねえ、メイ。いい加減許してあげたら?カイトも反省してるみたいだし。何をやったのかは知らないけど。」
カレンの視線の先には疲れた顔をしたカイトがいた。
「私はまだ怒っているんです。何のために結界を張ったと思っているのか。それなのに自分で連れて来るなんて。」
「反省してる、次はやらないから許してくれ。俺を見るたびに殺気を飛ばすのは本当にやめて欲しい。ストレスで倒れそう。」
「次やったら今度こそ許しませんからね。」
「はい、反省しています。」
「ずっとメイがムスッとしてたから良かったわね。」
「ムスッと?ギロッの間違いだろ。」
「カイト、調子に乗らない。」
「はい…」
「魔物のせいで子弟を学園に預けてる貴族がうるさいみたいだな。冒険者ギルドに解決に協力してくれって言う依頼があるらしくて相当困ってるみたいだ。」
「ねえ、皆でこの事件を解決しない?」
「危険です。何が起こるか分かりませんよ。」
「でも、あの魔物の気配を察知出来るのはメイだけだし、このままだといつまで経っても学園に行けないわ。」
「それはそうかもしれませんが。カレンがやる必要はありません。」
「嫌よ。1人でお留守番だなんて、この前の夜もコソコソやってたの知ってるんだから!」
「カレン様だって自分の身くらい自分で守れるさ。心配なのは分かるけど少しは信頼してやったらどうだ?」
「信頼していないワケでは無いですが…分かりました。私とカイトの言うことを聞くことが条件です。良いですね。」
「やった!ありがとうメイ!」
「はあ、私も甘いですね。」
「…いつもの事だろ。」
「何か言いました。」
「いや別に」




