390話 初見殺し
カイトと男は睨み合い、出方を伺う。
カイトは予備動作無しで背後に回り込み2本の刃を振るう。
男は片方を銃で、もう片方を手甲で防ぐ。
カイトは体勢を整える隙を与えず一気に勝負を付けにいこうとするが、男は回転することで勢いをつけて銃身をカイトに叩きつけようとする。
カイトは一旦距離をとり、様子を伺う。
男は世間話をするかのような口調で話し掛けてくるが、カイトも軽い調子で言葉を返す。
「危ないじゃないか。」
「さっきのお返しだよ。その武器は精密なんじゃないのか?そんなに振り回して壊しても知らねえぞ。」
「心配はいらない。これは特別製でね。ドラゴンに踏みつけられても壊れないのさ。」
「そうかい。アンタをてっきり暗殺者だと思ったが違うんだな。暗殺者の格好をして油断させる棍棒使いってところか?まあ、油断させて標的を殺るっていうのも暗殺って言うのかもしれないがな。」
「おいおい、そんなネタばらしするんじゃねえよ。俺の手口が広まったらどうするんだよ。ま、ここでお前を殺れば関係ねえか。双短剣と棍棒なら棍棒の方が有利だし、降参するなら今のうちだぜ。」
「すまないがウチは失敗に厳しいんだ。それに暗殺者の言うことを真に受けるバカがいると思うのか?」
「違いないな。」
男は銃をカイトに向け発砲する。
ショットガンのような弾丸が発砲され、ライフルのような銃だと思っていたカイトはばら撒かれた銃弾を浴びてしまった。
「殺りきれなかったか。しぶといヤツめ。」
血を流しながら地面に落ちていくカイトを見て男は追撃しようと再び銃を向ける。
だが、カイトがいたはずの場所には血溜まりがあるだけでカイト本人はいなくなっていた。
「どこに行きやがった。あんな傷を負ってまだ動けるのかよ。」
男がカイトを探していると2発の魔法が銃を弾き、男の頭を掠めた。
カイトは遠くから魔法を撃ち込み戦闘不能にしようとしたが、失敗したため男を誘い込むように逃げていく。
「チッ!あのガキ!」
だが、頭に血が上った男にはそんな事はどうでもよく、カイトを追いかけて行った。
その頃、組織の事務所では…
「獲物がたくさんかかって良かったですね。」
「これはちょっと多すぎないか?」
「こういう時は逆に考えるんです。拷問に失敗しても替えはたくさんいると。」
「そういう発想がポンと出てくる時点で色々と手遅れだな。」
「うるさいですよ。放っておいてください。それよりも、カイトの方は上手くやっていますかね。」
「囮組が帰って来たぞ。お前ら無事か?」
「はい、何も起こりませんでしたよ。」
「カイトはいないみたいですね。という事は何かトラブルに遭遇しているみたいですね。少し見てきます。2回目の襲撃が来ても良いように結界を張っておきますから、外に出ないように。」
「分かった。」
メイはカイトを探すために朝になって少し明るくなった街に出ていくのだった。
男が持っていた銃はアタッチメントや銃弾を変えるとライフル弾や散弾など種類の違う銃弾を発射できるようになっています。




