389話 カイトの特殊能力
「なんで俺が呼ばれたんだ?」
「人手が多い方がやりやすいので」
「屋敷の護衛は?」
「サキさんがいれば十分です。相手は魔法を使わない事が分かったので屋敷の周りの結界を破壊できませんから。護衛はいつもの門番達だけで十分だったんですけどね。サキさんも念の為に残してきただけですし。」
「まあいいや。それで戦闘不能にして捕まえてくればいいんだろ?簡単だぜ。」
「これで食いつくのか?」
「食いつきますよ。彼らの狙いはまだ分かりませんが手口から見て特定の個人ではなく組織自体が狙いであるのでしょう。組織はこの街を支配していますが、その支配を揺らがせるためには組織が負けたと街の住人に印象付けなければいけません。しかし、現在の学園都市では住人の意識が組織の抗争よりも潜り込んだ魔物の方に向いているので組織の構成員を数人殺した程度ではまったく話題に上がりません。もっと大きな事件を起こそうとするはずです。」
「それなら事務所の方も守っておかなければいけないんじゃないか?」
「なので事務所では私が張り込みます。カイトには囮の方についてください。」
「そういう事か。」
準備と説明を終えた一行は囮作戦を開始した。
腰に武器を提げている組員達をカイトが隠れて追いかける。
ちなみにメイは隠蔽の魔法を使って隠れているがカイトは魔法や魔道具を使わずに隠れている。
それなのになぜかカイトが本気で隠れるとメイでも一瞬見失ってしまう。
カイト曰く「昔は陰キャだったから」らしい。
違うと思う。
ともかく、カイトは罠にかかるのを待つ。
来ないのではないかと思ったその時、背後で殺気を感じた。
カイトは射線上に飛び込み弾丸を弾いた後、一瞬で敵の背後へと回り込んだ。
暗殺者はカイトの動きを察知できず、まんまと背中を晒した。
「なんだ、ただの雑魚じゃないか。」
「何!いつの間に!」
あっという間に暗殺者を捕縛し、仲間がいないか辺りを見回していると
「アハハ!バカめ!俺を捕まえたところで意味は無い!俺たちの仲間は今ごろ本部に殺到しているぞ!」
「それは残念だったな。俺よりも強い用心棒がお前達の仲間を一人残らず倒すだろう。何人生き残るか、嬢ちゃんの気分しだいだからな。本当に銃だ。単発式のライフルか。魔法や魔力をまったく使ってないのがすごいな。」
カイトはしげしげと銃を観察しているとまたも殺気を感じ、直感的に暗殺者を抱きかかえて飛び退くとカイトの居た場所に弾丸が着弾した。
「あっぶねえ!」
「ソイツを返してもらうぞ。」
「暗殺者が姿を現して勝てると思ってんのか?」
「勝てるさ。」
顔の全貌はフードで見えないが、口元がニヤリと笑っていたのだった。




