38話 バカ話
「ここは…。」
「ようやく起きましたか。」
「お前は!」
「いいですか。あなた方には拒否権はありません。私の聞いた事だけ答えてもらいます。」
「ふざけるな。今すぐ殺せ!」
ドゴ!
「ガハ!」
「聞いた事だけ答えろと言ったはずですが。言葉が分からないんですか?」
「絶対に何も話さない!」
「そうですか。では、頑張って抵抗してください。
一つ目の質問です。あなた方の目的は?」
「フン!」「誰が答えるものか。」
魂魄魔法«懺悔»
「お、俺たちの目的はま、魔神の復活だ。」
「ありがとうこざいます。」
「なぜ話した!」
「く、口が勝手に。」
「お前!何をした!」
「二つ目の質問です。なぜ魔神を復活させるのですか?」
魂魄魔法«懺悔»
「そ、それは我らが神の祝福を受けるためだ。」
「そうですか。」
こんなふうに魔族から気になったことを聞き出していった。
「あなた方に聞きたいことも無くなりました。協力的だったあなた方は苦しまずに殺してあげます。」
魔族は黙り込んでしまっていた。
私はその魔族の首を跳ねた。
結界を解除すると、騎士達が入って来た。
「随分と時間がかかっていたな。死んだかと思ったぞ。」
「すいません。逃げられないようにしていたので。」
「魔族が二人もいたのか。よく勝ったな。」
「これくらい軽い物です。」
「そ、そうか。」
「報告はまとめて行いたいので一度帰りましょう。」
「承知した。引き継ぎを行うから少し待て。」
城に帰ってきた私たちは謁見の間にいた。
「ご苦労だった。」
「もったいなきお言葉。」
「して、作戦はどうなった?」
「それを含めてですが、成功しました。」
「公爵は?」
「死にました。」
「そうか。」
報告を終えた後王は、
「あやつはそこまで儂を憎んでいたのか。」
一言呟いて、私たちは下がらされた。
王ともなると、色々あるのだろう。
「メイ嬢さすがだね。」
「大した事はしていませんよ。」
「これが大した事でないなら、ほとんどのことが大した事じゃないよ。謙遜は良くない。」
「そうですか?なら、すごいでしょう?」
「全然自慢気じゃないね。」
「自慢するほど頑張ってないので。」
「本当に、その歳でその強さなんて恐ろしいねぇ。」
「全然恐ろしいく思ってませんね。」
「当然だろ?君は何もしなければ牙を剥くことは無いのだから。」
「さぁ、分かりませんよ?この国を滅ぼそうとするかもしれませんよ?」
「その時は諦めて逃げさせてもらう。」
「清々しいですね。」
「下手に抵抗しても意味無いからね。」
「こんなのが王太子だなんて。」
「敬語無くなってるよ。」
「おっと、こんなのでも王太子なんだからある程度の敬意は必要ですね。失礼しました。」
「こんなのって酷くない?」
「別に。」
「扱いが酷い!」
「クスクス。」
「ハハハ。」
荒んだ心が癒されていくようだ。