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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
11章 帝国へ潜入
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354話 無理は禁物

「何の問題もなく魔石は運び込まれたようですね。」

「警備ザルだな。大丈夫か?」

「あなたが城に戻ることになったら検査項目に入れればいいんじゃないですか。」

「そうするよ。その時は先輩アドバイスしてくれよ。」

「気が向いたらやってあげますよ。」

「そん時はよろしくな。」


メイは城が見える適当な場所に隠れて異常が発生するのを監視する。

「どうだ?何か動きはあったか?」

「何もありません。イガレスは尾けられていないでしょうね。」

「それは大丈夫だ。遠回りしてきたし、この姿を変える魔道具のおかげで顔を覚えられる事も無いしな。」

「そうですか。」

「頼まれた物買ってきたけど、休まなくて大丈夫か?ここ数日まったく寝てないんじゃないか?」

「数日程度なら問題ありません。1週間以上は少しキツいですけど、やろうと思えば1ヶ月くらいならいけますから。」

「無理するなって言ってるんだけどな。見張りは俺に任せて少し休んだらどうだ?いざって時に疲れてミスする方がマズイだろ。」

「そこまで言うなら少し休みます。何か動きがあれば些細な事でも私に報告してください。」

「分かった。」

それから数時間後

「何か動きはありましたか?」

「いや、いつも通りだ。それよりも疲れはとれたか?」

「はい。もう大丈夫ですよ。」

「それなら良かった。俺の護衛は先輩しかいないんだから倒れられたらどうしようかと思ってたんだ。」

「そう言えば、イガレスは皇族なんですから英才教育を受けていますよね。」

「そうだな。色々やったぜ。でも、俺はスペアだからそこまで厳しくはされなかったな。」

「そうなんですか。ちなみにイガレスはどれくらい強いんですか?」

「俺の強さか?同年代だとトップだったけど、騎士には勝てないな。超高性能な装備を着ければいい勝負ができるってくらいかな。」

「なるほど、という事は帝国の騎士も大した事ありませんね。」

「急になんだよ。というか前に戦ってたじゃん。」

「あんな戦いで強さが測れる訳ないでしょう。試す前に殺したんですから。」

「あ、そう。」

「装備で勝てる差ならどうとでもできますね。」

「俺、先輩だけは敵に回したくない。」

「よく言われます。」

「ん?なあアレって」

「やっと来ましたね。魔力切れで結界が消えましたね。私は細工をしてくるので待っていてください。」

「了解だ。」


メイは結界が完全に張っても通り抜けられるように枠を設置し、それが気付かれないように認識阻害の魔法をかけてその場を後にした。

「戻りました。」

「どうだった?」

「完璧です。後はこの騒ぎが収まった後に侵入すれば良いだけです。」

「じゃあ、今日は引き上げるか。」

「そうしましょう。」

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