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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
11章 帝国へ潜入
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348話 父親

「メイは今日で帰ってしまうのか。パパは悲しいよ。」

「うん、近くの街に待たせている人がいるから。」

「それは女の子だよな?」

「男だけど?」

「ナ、ナニィ!彼氏か?彼氏じゃないよな?」

「彼氏じゃないよ。学園の後輩なんだけ。」

「それならいいが。いいか、メイはまだ子どもなんだから、くれぐれも...くれぐれも!節度を守った交友関係をだな!」

「もう、心配しすぎよ。メイはこんなに可愛いんだから彼氏の1人や2人いてもおかしくないわよ。ね?」

「ダメだダメだ!俺の目が黒い内はメイに彼氏など認めないぞ!」

「そんな事言ってたら婚期逃しちゃうわよ。孫の顔が見れなくてもいいの?」

「ぐぬぬ、孫の顔は見たい。でも、彼氏なんて嫌だ!」

「ワガママ言わないの。」

「グスン、メイ俺を捨てないでくれー!」

「捨てないから、抱きついてくるのやめて」

「メイが冷たい!」

「そんな事されたら誰だって冷たくなるわよ。」

「俺に味方はいないのか!」

何とか2人でなだめ、帰ろうとすると馬車が近くの街に行くために準備されていた。


「よう、俺の事覚えてるか?」

「.....ソルでしたっけ?」

「正解、よく覚えてたな。」

「私を仲間外れにした張本人じゃないですか」

「それも覚えてたか...あの時はすまなかったな。」

「別に気にしてませんよ。それで何か用ですか?」

「その荷物から見るに村から出るんだろ?俺らは近くの街に行くからそれまで一緒に行かないか?一人旅は何かと不便だろうし。」

「そうですね。じゃあお言葉に甘えることにします。」

しばらくすると準備を終えた馬車は出発する。

メイが歩いてついて行っていると

「馬車に乗ってもいいんだぜ?」

「歩くのは嫌いではないので、大丈夫ですよ。」

「そっか、そう言えば王立学園に行ってるんだったよな。どんな事するんだ?」

「勉強したり、訓練したり、色々ですよ。」

「強いのか?」

「そこそこと言っておきましょう。」

「じゃあ、魔物や野盗が出たら頼むな。」

「はい。任せてもらっても大丈夫です。」


街までの途中、休憩をしているとソルは他の同行者達に引っ張られて行った。

「おい、あの子ってメイって子だよな?よく声を掛けられたな。」

「なんと言うか、これを逃したら謝る機会がもう来ない気がしたんだ。」

「それにしても、昔から思ってたけど、綺麗な顔してるよな。」

「昔とあまり変わってないように見えるんだが、なんでだ?」

「身長とかじゃないか?」

「さすがにそれはないだろ。あの子が村を出たのは7歳とかの頃だぞ?成長してるだろ。」

「雰囲気とか?」

「「それだ!」」

「雰囲気がほとんど変わってないんだ。」

「昔よりも柔らかくなったような気がするけどな。」

「でもさ、ちょっと気まずいよな。」

「そりゃあな。俺たちあの子をハブってたんだから罪悪感があって当然だよな。」

「本人は気にしてないみたいだけど、向こうからしたら今さら何言ってのかって事なのかもな。」

「あの」

メイが声をかけるとソル達はビクッと身体を震わせ、心底驚いた様子だった。

「ど、どうした?」

「馬も十分休憩できたようですし、出発しませんか?」

「そ、そうだな。じゃあ、みんな出発するぞ。」

少し離れた場所で話していたとしてもメイは当然聞こえていた。

少しのわだかまりをどうするか考え始めるメイだった。

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