317話 実験
メイが菌を燃やしていると、突然メイが血を吐いた。
「ゴフッ」
「え!何が起こったの!?」
「ゴホッゴホッ、気にしないでください。ちょっとした実験をしていただけです。」
「実験?」
「胞子は魔力を吸収しているようだったので魔法を使うとどうなるのかという実験です。結果はかなり進行するという感じですね。」
「何やってるのよ!そんな事して死んだらどうするのよ!」
「そんなに危険ではないですよ。そろそろ吸魔結界が効いて来るでしょう。」
「吸魔結界?」
「はい、胞子が纏っている魔力を吸収するための結界です。極微量の魔力を吸収する結界なので気付かなかっのでしょう。」
「そうなの。」
「後は、この薬を飲めば対処出来るでしょう。」
「何コレ?」
「身体の中の異物を排除してくれる薬です。」
「副作用とかは大丈夫なの?」
「少し具合が悪くなる程度ですね。何かあれば私にいってくれれば対処しますよ。」
「アンタは飲んだの?」
「私は薬無しで排除できるので飲んでいません。不安だと言うなら飲みますけど、どうします?」
「いや、飲まなくていいわよ。」
「リアディーナ、早く飲んでください。」
「い、嫌よ…薬は嫌いなのよ。」
「飲まないと死んでしまいますよ。それに苦くないですよ。」
「うっ…分かったわよ…」
「その試験管はどうする気よ。」
「帰ったら色々実験しようかと思いまして。」
「教授に渡しなさいよ。」
「薬も効いてきましたかね。信号弾を上げますね。」
メイが信号弾を上げてしばらく待っていると、ダニエルがやって来た。
「何があった。」
「色々と困った事になりました。変異した魔物や本来ここには無いはずのカビがあったり、これでは合宿どころではありません。」
「カビ?詳しく説明してくれ。」
メイは詳しい説明をし、生徒たちもそれが間違っていないと答えた。
「それが本当なら冒険者ギルドの責任問題になるな。。最低でも1ヵ月前には通知してるんだからな。それで、カビとキノコが融合しただけでお前らが言うような事になるのか?」
「そんな訳ないでしょう。意思もない菌が生物の身体を操れるはずがありません。」
「そりゃそうだ。どっちにしろ怪我人も出てるし、キノコをも燃やしちまったし、今回は失敗だな。今は胞子飛んでないんだよな?」
「すべて燃やしたので大丈夫です。」
「ポッカリと穴が空いてるのは木も全部燃やしたからよ。」
「じゃあ、キノコ絶滅したのか?」
「キノコの胞子も採取しているので、カビを取り除く事が出来たらここに蒔けば良いんですよ。」
「そんなのできるのか?」
「やってみなければ分かりません。ですが、やらないという選択肢はありません。」
その後、調査が必要だと言うことで合同合宿は中止になった。




