302話 やってみなければ分からない
友達と遊んでいたらこんな時間に…
こんな生活続けてるから体調崩すんだろうなと思ったけど、改善はされないんだろうな。
ユリエスが目を開くと、カイトが盾になっていた。
「あ、あなたは…」
「俺が誰だろうが今はいい。生きたいならすぐに立て!」
「ハイ!僕のパーティメンバーは大丈夫でしょうか。」
「俺が来た方向にはいなかったが、信じるしかない。」
「そうですよね。」
「お前は好きに動け。俺が合わせてやる。」
「相談は終わったか?」
「ああ、待っててくれて助かったぜ。なんせ初対面なモンで。」
「マズは貴様から殺してやろう!」
「来るぞ!俺を信じて突っ込め!」
「ハイ!」
ユリエスは相手に突進していき、獣人の片方の腕と打ち合う。
もう一方の腕でユリエスを攻撃しようとしているのをカイトが割って入り、邪魔をする。
「邪魔をするな!」
「足元がお留守だ。」
「グッ!」
太ももに短剣を突き刺し、一瞬動きの止まった獣人を切り刻む。
「ガアアアアア!」
「…すごい。鉄の鎧を軽々と…」
「ガハッ!貴様…何者だ…」
「名乗るほどの者じゃない。自分で決めた誓いも守れなかった軟弱者だと覚えていればいいさ。」
「これ僕いらないんじゃ…」
「1人だと少し荷が重い。手伝ってくれると俺が楽できるのさ。」
「この俺が人間ごときに負けるはずがない。人間ごときに!」
「お前は負ける。無関係な人達を殺した報いを受けるんだ。」
「チクショウ!チクショウ!チクショウー!!!」
「コレは!伏せろ!…どわ!」
「お兄さん!?」
獣人から出た魔力の奔流からユリエスを庇ったカイトだが、奔流に巻き込まれ、吹き飛ばされてしまった。
「ハァハァハァ…ブッ殺シテヤル」
「うわぁ。ああはなりたくないな。」
「死ネェェェ!」
「ク!」
ユリエスが剣を構えると、獣人の身体が半分に分かれた。
「え?」
「急いで帰ってきてみれば。なんですかこの惨状は」
「使徒…様…」
「様なんて付けなくていいですよ。そうだ、あなたの仲間は先ほど助けました。怪我は酷くありませんが、動けないようなので手を貸すといいでしょう。後は任せなさい。」
「使徒様1人に任せる訳にはいきません。俺も戦います。」
「そうですか。期待していますよ。」
2人が話していると、
「クヒヒ、やっと帰ってきたね。遅かったじゃない。使・徒・様」
「ランメル。やはり生きていましたか。ここで死んでもらうとしましょう。」
「やなこった。みんな!やっちゃって!」
残っていた3人の魔族が一斉にメイを目掛けて殺到する。
「時間の無駄です。」
メイはあっという間に3人の魔族を屠り、ランメルの方を向くと、
「な!」
「本当に無駄かどうかはやってみないと分からないでしょう?クヒヒヒ」
「チッ、やられましたね。」
メイが戦っている隙を突いてランメルはユリエスを捕らえていたのだった。
「コイツは人質だ。人類の希望を殺されたくなければ、言うことを聞くんだね。」
「…いいでしょう。」
メイは剣を投げ捨て、戦闘に辞めざるをえなかった。




