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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
9.5章 勇者の選択
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295話 獣人

カイト視点


「嬢ちゃん、聞こえるか?…通信機が使えないのか。色々と不便だな。魔力濃度が濃い。原因はなんだ?」

ブツブツとつぶやきながら探索をしていると、何かが探知の範囲に入った。

息を潜め、周りをうかがう。

「ただの魔物じゃないな。魔族か?」


ザッと藪をかき分け移動している音が聞こえ、少しづつ近づいて来るのが分かる。


カイトは自分の目の前を通った相手を羽交い締めにして捕まえる。

「大人しくしろ!」

「ヤメロ!離セ!」

ジタバタとすごい力出暴れるが、さらに力を込めて押さえつける。

縄で縛り付け、改めて相手の顔を見ると、

「私にナニをするツモリだ!」

「え、女!?あんなに力が強かったから男かと思ってた。」

「グルル」

「獣人か。この様子からして、敵対してない方みたいだな。…1つ質問だ。お前は人間を滅ぼしたいと思うか?」

「ナゼ私がそんなコトをしないとイケナイんだ?そんなコトよりも早く離セ!」

「なるほど、すまない。俺の勘違いだったようだ。今解放するよ。」

獣人の女は少しキツく縛ったので、縄の跡を擦りながら、聞いてくる。

「私はククルだ。オ前は?」

「俺はカイト。人間を殺そうとしている魔族を倒しに来た。」

「魔族を殺すノカ?」

「いや、少し敵意を持っている程度なら殺さない。人間を殺すための計画を立てている魔族だけだ。」

「そうか。コノ一帯は私達のナワバリだから、そんな魔族はいないと思うゾ。」

「そうなのか。ありがとう。もし、戦争をしようとする魔族が来ても協力しないで欲しい。その時は君たちも俺たちの敵になってしまう。」

「私達はソトに興味はナイ。勝手にオ前達が争っているダケだ。」

「そうだな。俺はもう行くよ。本当にすまなかったな。」

「戦士として私が未熟だったダケだ。気にしなくてイイ。」



カイトはメイと連絡をとるため、1度森を出た。

「嬢ちゃん聞こえるか?」

『感度良好。聞こえますよ。』

「良かった。壊れてたらどうしようかと思ってたんだ。そっちはどうだ?何かあったか?」

『いくつか放棄された拠点の跡を見つけました。魔族ではなく人間ですね。』

「天理教団か。追い詰められてここまで逃げてきたってわけか。」

『私は彼らを追いかけます。カイトの方はどうでしたか?』

「俺の方は魔族を集落を発見したよ。俺達には完全に無関心だったよ。」

『そうですか。なら、潰す必要は無さそうですね。』

「ああ、俺の方はこれくらいだ。」

『では、引き続き調査をお願いします。』

「了解だ。」



カイトが森に戻ると、黒煙が上がっていた。

「山火事か!?燃え広がる前に消さないと!」

燃え広がると魔物のエサが無くなり、人里まで降りてくるため、山火事は一大事なのだった。


カイトが火事現場に着くと、昨夜見つけた集落だった。

「誰がこんなこと…!」

周りを見ると、倒れている人の中に見覚えのある顔を見つけた。

「ククル!誰にやられたんだ!おい!しっかりしろ!何でだよ!チクショウ!!」

倒れ、ピクリとも動かない人々を見てカイトは慟哭したのだった。

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