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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
9章 中等部2年生編後編
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番外編 カレンが根源魔法を習得するまで 3

「さて、ビシバシやっていくわよ。まず根源魔法は炎の神(イフリート)水の龍(ティアマト)氷の巨人(フィルム)雷の王(トール)風の英雄(エウロス)岩の賢者(アルヴィース)の6つあるわ。」

「他にはないの?」

「一応、闇の悪魔(ベリアル)光の天使(セラフィム)があるけど、人が使える魔法じゃないわ。制御が他の魔法に比べて格段に上がってるのよ。」

「私はどれを練習したらいいかな?」

「カレンは火の魔法が得意だから、炎の神(イフリート)を練習したらいいと思うわ。そうだ、物体には色々な姿があるの。火に囚われていたら本質が見えなくなるわ。」

「どういうこと?」

「物体の温度で考えなさい。木が燃えている時、それに触ったらどうなる?」

「熱いから火傷しちゃうわ。」

「そうね。逆に氷の中にあったら?」

「冷たくなってるわ。」

「同じ木なのにどうしてこうも違うのかしら。」

「炎と氷の違いじゃないの?」

「じゃあ、火の魔法は物をどうする魔法かしら。」

「物を熱くする魔法ってことよね?」

「そうね。じゃあ氷の魔法はどうかしら。」

「物を冷たくする魔法だわ。」

「そうよ。どちらもその物体の温度を変化させる魔法なの。操るのは火ではなく温度。そういう意識で練習してみて。」

「トンチみたいね。」

「トンチでいいのよ。あなたが理解できればね。」

「これでメイに勝てるかしら?」

「ムリね。あのメイさんが使えない魔法があると思う?」

「うーん。想像できないわ。」

「メイさんはきちんと対処してくるわ。でも、メイさんにできてカレンにできないことを無くしていけば勝てるわ。ゆっくりでいいのよ。」

「そうね。ありがとう」



得意な火属性であろうとも、そう簡単に制御ができるはずなどなく、何度も失敗しては、原因を追究していった。

「これで30回目ね…さすがに、魔力を使いすぎたわ。」

「カレンが失敗する度、内心ビクビクしながら対処してるのよね。」

魔法が暴発した時のサキの対処は強引で、魔法をコントロールするのではなく、結界の中に閉じ込めて、爆発させるというものだった。

「それはそうでしょ…」

「制御出来ないから諦めたのに、暴発寸前の魔法を抑え込むなんて無理よ。私の時はこれくらいで諦めたから、どういう風にしたらいいのか分からないのよね。」

「一緒にやる?」

「2人一緒に暴発したら危ないから却下。」

「確かに。」



2人は諦めずに特訓を続け、特訓を始めて3週間ほど経ったある日、ついに根源魔法を発動させ、威力などの制御もできるようになった。

「やった!やったわ!」

「よくやったわ!これでメイさんを驚かせてやりましょう!」

「まだ、満足したらダメよ!もっと使いこなしてやるんだから!」

「その意気よ!」


テンションが上がった2人は、その日1日中ニコニコして気味悪がられたらしい。

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