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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
9章 中等部2年生編後編
306/502

285話 剣姫祭

今日は剣姫祭の2日目だ。

え?1日目はどうしたかって?

アリュールが大暴れしてたよ。

全部瞬殺だったよ。相手は研究者だからそこまで強くないのかもしれないね。


ちなみに私の出場する順番は先鋒だ。

どこでも良いって言ったら先鋒にされた。

「今年は賭けやってないんですか?」

「実はあの後学園長にバレて怒られたんだよ。」

「そうでしょうね。」

「賭けはしてないが、査定には響くらしいから頑張ってくれよ。」

「教師としてどうかと思うんですけど。」

「ハッ!俺みたいなのを雇ってるのが悪いんだ。」

「安定のクズ具合で少し安心しましたよ。」

「うるせえよ。とりあえず、初戦の相手はDクラスだ。行けんのか?」

「私を誰だと思っているんですか。」

「クソガキ」

「可憐な美少女ですよ。」

「「…」」



クレソン視点

「よぉし、ここが正念場だ。」

「早くないか?」

「1番の強敵が出てくるぞ。」

「そうだね。私が先鋒か…緊張するよ〜」

「できるだけ消耗させてくれ。それが唯一の勝ち筋だからな。」

「メイちゃんが疲れで集中力の切らす所なんて想像出来ないけど…」

「それでもやるしかない。守りに入ると後が怖いぞ。」

「…確かに」




舞台に立つアリュールとメイ

メイはいかにも自然体といった様子で佇んでいる。

アリュールは目に見えて緊張していて、少し不安になってくる。

「アリュール、私は本気で行きます。死なないように、ついてきてくださいね。」

「分かった。でも、昨日が全力だと思っているならケガをするよ。」

アリュールの言葉はハッタリなのか判別できないが、少しリラックスできたようだ。




試合が始まると光の奔流がメイを襲う。

一撃一撃が人体に致命傷を与えうるほどの威力を持っている。

そんな威力を持つ攻撃を連続して放てるアリュールはすごいのかもしれないが、メイの異質さはそれを越えていた。

ただの木刀ですべての攻撃を弾いているのだ。

少しでも武術をかじっている者はそのおかしさに気づいているだろう。

「なあ、クレソン。アレっておかしいよな?」

「アレが普通に見えるなら医者を紹介してやるぞ。」

「アレどうやってるんだ?」

「木刀に魔力を纏わせて丈夫にしてるんだ。」

「随分簡単そうに言うんだな。」

「大量の魔法の弾道を精確に予測できる頭とその通りに動く身体があるなら簡単だと思うぞ。」

「クレソンが正念場だって言った理由が分かったよ。あの人がいるからか。」

「そうだ。」

そう言っている間にも状況は変わっていく。


「やっと準備運動が終わったよ。今まで付き合ってくれてありがとね。」

「本気のアリュールと戦わないと意味がありませんから。」

「第2ラウンドだよ。」

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