264話 ちょっとしたトラブル
お久しぶりです!用事がようやく終わったので投稿再開していきます。
9章を2年生編後編にしました。1つの章で1年やるのはさすがに無理すぎた。なので8章を前編に変更しました。
「メイくん少しいいかな?」
「ニコラス先生じゃないですか。どうしたんです?」
「少し困ったことになって、とりあえず研究室に来てくれないか。」
「分かりました。」
ニコラスに連れられて研究室に訪れると、ナナが部屋の掃除をしていた。
「あ、マスターお久しぶりデス。」
「ナナ、久しぶりですね。それで何かあったんですか?ナナに不具合でも?」
「いや、それは大丈夫なんだが、ナナの存在を他の教授達に知られてしまったんだ。何とか言い繕ってその場は凌いだんだが、まだ怪しまれているみたいでね。」
「なぜそんなことになっているんですか。」
「最近、色々な事件があっただろ?だから、その調査が学園の教授陣に任されることになったんだ。それでナナを護衛兼助手として連れて行ったんだが、そこを見られていたらしい。」
「だから外に連れ出すなと言っているのに。」
「僕1人だから大丈夫だと思ったんだが…すまない、これは僕のミスだ。」
「そんなことありませン!ワタシが連れて行ってほしいとお願いしたんデスから!ご主人様が謝る必要はありませン!」
「ナナ、同行を許可したのは僕だ。だから、これは僕の責任なんだ。」
「でも…」
「はぁ、わかりました。ナナのことは話してもらっても構いません。私一人では完成させられないと思っていたところなんです。」
「気を使わせてすまない。ある程度は今まで通りにするが、無理して隠すことはしないという感じでいいかな。」
「はい。そうしてください。さてナナ、ちょうど私は時間が余っています。なので、メンテナンスをしましょう。」
「いつもの定期メンテナンスよりも早いのデハ?」
「今月の分は今日したというにしますから。ほら早く。」
「分かりまシタ。どうぞ」
ナナの背中がパカッと開き、中にたくさんの管や魔法陣が刻まれた板などがギッシリ詰まっていた。
「何度見ても、どうして動くのか分からないよ。」
「どうしてと言われても、色々な機構が中に入っていますからね。」
カチャカチャと内部を弄りながら答える。
「この部品は損耗が早いですね。取り換えておかないと。」
「うん、さっぱり分からん。」
「よし、できました。」
ナナの背中を閉めて、再起動させる。
「……おはようございマス。マスター、ご主人様。」
「おはよう、ナナ」
「これといって問題はありませんでした。戦闘にならない限り、不具合が出ることは無さそうですね。」
「それはよかった。」
「それではナナ、これからも頼みますよ。」
「ハイ、おまかせくだサイ。」
「今日はすまなかったね。どうしようかと思っていたところだったんだ。」
「まあ、仕方がないということにしておきます。それに今回は私にとってもちょうどいい機会でしたからね。」
「確かに教授の意見を聞くことが出来るかもしれないが、キミ教授よりも知識あるだろう。」
「魔道工学の教授を知らないので知りませんよ。それに、私よりも知識が少なかったとしても、別の視点というのは大事ですから。」
「なるほど。ふと思うんだけど。キミ本当に子どもかい?」
「…見れば分かるじゃないですか。こんなに小さな大人いませんよ。」
「そうなんだが。いや、忘れてくれ。」
図星を突かれ焦るも、何とか顔に出さずに乗り切ったメイだった。