239話 Sランクパーティ
ギルド長室に入ると、10人ほどの人がいた。
いくつかのパーティが来ているようだ。
その中の1人が声をかけてきた。
「メイさんじゃないか!久しぶりだな。」
「…誰でしたっけ?」
「あれ?覚えてない?ピーターだよ。ガーベリアで助けてもらったさ。」
「え?あの小さかったピーターなんですか?」
「あの後成長期が来て背が伸びたんだよ。 一応言っておくけど、俺メイさんより歳上だからな?」
「え!歳下だと思ってました。」
「言っといてよかった。」
「師匠、この人は?」
「彼はピーター。大森林の街で一時期お世話になったことがあるんです。」
「正確には俺の両親にだけどな。」
「お2人は元気にしてますか?」
「ああ、元気すぎて少し静かにしてくれないかと思うよ。」
「…コホン、本題に入ってもいいだろうか。」
「これはギルド長、すいませんね。」
「まあいい。今日集まってもらったのはブレードマンティスの掃討作戦についてだ。」
「ちょっと待て、ブレードマンティスはAランクだ。このガキどもはどう見てもAランクの冒険者に見えないんだが、なぜこの場にいる?」
「それも含めて今から話すところだ。最後まで話を聞け。Sランクパーティ『森の番人』にはブレードマンティスの成体の討伐を頼みたい。Aランクパーティ『スレイバー』にはブレードマンティスの幼体を討伐して欲しい。補佐としてDランクパーティ『ホワイトシルバー』を付ける。」
「足手まといだ!」
「話を聞けと言っているだろう。彼らは無傷でブレードマンティスの幼体を倒している。そしてその情報を持ち帰ってきたのも彼らだ。それに人員は1人でも多い方がいい。彼らなら役に立つと判断した。」
「そうは言っても、Dランクパーティだろ。ランクってのは信用の証だ。それが無いんじゃ信用し切れない。」
「なら俺のところが連れていくとしよう。メイさんが強いことは知ってるし、他の人もメイさんに及ぶことはなくても、それなり以上の実力がありそうだ。それでいいかな?」
「私たちに拒否権は無さそうなので、それでいいです。」
「おい、ピーター大丈夫なんだろな?」
「大丈夫だって、俺を信じろ。」
「それじゃ、善は急げってことで、早速行こうか。」
出発した後の道中で、
「それにしてもパーティ名がホワイトシルバーってダサくないですか?」
「ダ、ダサくねえし!」
「ホントに思ったよ。もうちょっと捻りを加えるくらいしようよ。」
「分かりやすい名前の方がいいじゃないか!」
「男2人のネーミングセンスが壊滅的なんですね。」
「他の名前を私たちで考えておきましょう。ミナ」
「そうだね。アン」