季節SS クリスマス編
「今日はパーティーよ。」
「何かありましたっけ?」
「今日は神話で世界が作られたっていう日なのよ。創世記念日っていうのよ。」
「そんな日があるんですか。」
「記念日だから今日はパーティーよ!実はみんなも呼んでるの。盛大なパーティーをしましょう。」
「それはいいですね。」
「お父様は忙しいみたいで、来れないって手紙が届いたわ。」
「最近忙しいみたいですから。仕方ないでしょう。」
「もう、知らないって書いて送りつけてやったわ!」
「辺境伯様、可哀想に。誰が相手でも薄い笑みを絶やさないあの人でも愛娘の言葉には耐えきれないのでしょうね。」
「そんなの知らないわよ。私怒ってるんだから。」
「辺境伯様のご冥福を祈ることにしましょう。」
「こんばんわ。」
「師匠、来たぞー。みんなも連れてきたぜ。」
「「師匠、カレン様招待ありがとうございます。」」
「メイちゃん、カレンちゃん。ご招待ありがとう。」
「あ、みんな一緒に来たのね。どうぞ上がって。」
クレソン、フラス、アン、ミナ、アリュールの5人が訪れていた。
「カイト、準備はできた?」
「お、みんな来たんだな。飯はもうちょい待ってくれ。この街1番のシェフが腕を奮ってるからな。」
「えー、俺このパーティーのために朝メシ抜いて来たんだけどー。」
「ハハ、空腹は最高のスパイスだからな。もうちょっと待てば今までで1番美味いメシが食えるぞ。」
「そうだな。楽しみだぜ。」
少しして、
「出来たぞー、ドンドン食えー。」
「「「おおぉ!」」」
「美味しそうですね。」
「これは…ヨダレがとまらないよ!」
ワイワイとご飯を食べていると、
「サプラーイズ!みんな、今日はカレンちゃんのために集まってくれてありがとう!」
「お父様!?忙しいって」
「何とか終わらせて来たのさ。あ、これみんなにプレゼントね。」
「ありがとうございます!」
「カレンちゃんにはこの本をあげよう。」
「なぁにこれ?」
「フフ、大事にするんだよ。」
「分かったわ。ありがとう」
「いつもお世話になってるメイ君にはこれをあげよう。」
「毛糸のマフラーと手袋ですか?」
「君のご両親からだよ。それで私からはこれだ。」
「コート…これは風邪の心配はなさそうですね。」
「お父様、適当に選んだでしょ。」
「これ着てたら護衛ができないんですけど。」
「あれ、ええと、ダメじゃないか。」
「ダメですね。」
「…君たちには何がいいか分からなかったからクッキーを買ってきたよ。」
「話を逸らした。」
「ケーキとかじゃないんですね。」
「ケーキはここで食べるんだから持って帰れる食べ物の方がいいと思ったんだ。」
「ゴチになります!」
「みんな帰ったね。」
「そうね。お父様もすぐに帰っちゃうの?」
「そうだね。明日にはもう帰らないといけないよ。」
「そうなんだ。次に会えるのはいつになる?」
「それは分からないよ。でも、時間が出来たら必ず会いに来るよ。」
「うん、お父様大好きよ。」
「私もだよ。」
空気を読んでそそくさと親子団欒から離脱する使用人達であった。