236話 合同授業
そういえばクリスマスイブだと言うことを忘れていたぜ。
自分に関係ないイベントって覚えてないよね。
ダニエルが教室に入ってきた。
「実は今日の実技はDクラスと合同でやることになった。Dクラスの担任のレーガット先生が病欠で他のクラスと持ち回りでやることになったんだ。変な問題起こすなよ。これで今日の変更点は以上だ。」
合同授業があるまではいつも通りだった。
演習場に出向くと、
「師匠、一緒にやろうぜ。もちろん手加減はしてくれよ。」
「最近、最強だともてはやされて調子に乗っているみたいですね。」
「え、いやそれは、あそこのバカたちが言ってるだけだよ!俺が言ってる訳じゃないから!」
「ふーん。」
「ふーん。じゃないって!」
「クレソンくん、焦りすぎだよ。」
「だって、これ完全に地獄を見るパターンだぜ!?」
「諦めた方がいい時もあるよ。」
「一言だからって!」
「バカなこと言ってないでやりますよ。」
「分かったよ!やるよ!やりゃあいいんだろ!」
「ヤケクソすぎる。」
「いつもは誰も相手してくれねえから、師匠が相手してくれて嬉しいよ。」
「そうですか、少し本気を出しますから、ちゃんとついてきてくださいね。」
「こいよ。」
メイが一瞬でクレソンの背後に周る。
クレソンはそれを何とか察知し、攻撃を受け流す。
メイの攻撃を受け流した瞬間クレソンの顔が弾かれた。
「イッ!」
「受け流しただけで終わりだと思ってはいけませんよ。」
メイから無数の突が放たれる。
「チッ!」
クレソンはその場から飛び退き、攻撃が終わり一瞬硬直しているメイに攻撃を仕掛ける。
それを見たメイはワザと姿勢を崩し、その一撃を躱す。
脚を振り上げ、クレソンに向けて振り下ろす。
「危ねぇ!師匠の身体は全身凶器だからな。」
「さて、これで最後にしましょうか。白銀流«刹那»」
「ああ、そうだな。白銀流«刹那»」
2人が抜刀の構えをし、同時に飛び出す。
木剣が折れる鈍い音と壁に衝突した音が響いた。
「痛ってー、また負けたー。」
「踏み込みが甘いですよ。それに身体強化も粗がありますよ。」
「師匠の身体強化がおかしいんだよ。俺もやってるんだけどな。」
「2人とも強すぎだよ。目で追うのがやっとだよ。」
この時、演習場の全員が思ったことは一緒だっただろう。
(色々とおかしいんだろ!?)
その後、メイに対する態度がビクビクとしたものに変わっていた。
「これもしかして、クレソンのせいですか?」
「え、俺のせいなのか?」
「この授業が始まる前はあんな態度取られませんでしたし、怖がられてますよね。」
「だって師匠怖いし。」
「何か言いましたか。」
「いえ、何も。」
その後、クレソンに八つ当たりするメイがいたとかいないとか…