23話 お茶会
庭には辺境伯とカレンがいた。
「メイくん。よくやってくれたね。」
「メイ!凄かったわね!強いとは思っていたけど、あんなに強かったのね!」
「あれくらいならどうってこともないですよ。それはそうと何故、庭に連れて来られたのでしょうか?ですか?」
「私たちも何も聞かされていなくてね。」
「それは、私が呼んだからですよ。」
「これは王妃様。」
「王妃様!?」
「お、王妃様でしたか、これは御無礼を。」
「堅苦しいのは無しです。非公式な場なのですからもっと楽にしてください。あなたが龍を倒した時の話を聞きたいと思ったの。」
「おもしろくも何ともないですよ。」
「いいから、教えてくれないかしら?」
「私もメイがどんなふうに戦ったのか聞いた事ないですわ。」
「話すような内容では無いので。」
「いいじゃないのあなたが倒したのでしょう?」
「そ、そうですけど。」
王妃様とカレンに詰め寄られた私は観念して話し始めた。
「「必殺技を忘れてた〜!?」」
「はい…実は使わなさすぎて。」
「メイってドジっ子だったのですね。」
「ウグッ!」
「それでよく倒せましたね。」
「グフッ!」
「本当にそうですわ。」
「もういじめないで…。」
「別にいじめてなんていませんわ。ただ、間抜けすぎだと思っただけです。お父様は知っていたの?」
「ああ、知っていたよ。間抜けだと思っていたけどね。」
「皆が私をいじめるんだ。味方なんていなかった。」
イジイジ
「少し言い過ぎましたわ。イジけないで下さまし。」
「話は変わるのですが。先程の戦い、メイさん、あなた何をしたの?」
「何をとは?」
「騎士団長を倒した時です。剣を折っただけで、倒れるはずありませんよね?」
「あの時ですか。私は彼の心の闇を斬りました。」
「心の闇?」
「はい。彼の心には闇が巣食っていました。彼の使った黒装は生命力を使用します。あのまま使っていれば命を落としていたかもしれません。何か心当たりありませんか?」
「私には分からないわ。でも、他の人に聞いてみることにします。」
「そうしてください。彼のために。」
そうしてお茶会は解散となった。
???視点
「どうだったあの娘の様子は。」
「そうですね。賢い娘だと思いました。そして、自分がどれほどのことができるかを正しく理解していたと思います。」
「そうか。」
「あの子のことをどうなされるおつもりで?」
「どうもしない。我らの派閥に引き込むにしてもまだ幼すぎる。」
「敵対派閥に先を越されませんか?」
「ヘイミュート辺境伯、あの男がいるなら安心だ。」
「ヘイミュート辺境伯、私にはあの男が何かを企んでいるような気がしてなりません。」
「ヘイミュート辺境伯家の人間は全員警戒されやすいのだ。先代もそうだった。」
「左様ですか。」
「引き続き彼女の見極めを頼むぞ、王妃よ。」
「はい。お任せください。陛下。」