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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
7.5章 メイの仕事(仮)
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221話 嫌な予感

マリアと別れ、店を出た時、

『カイト、マリアさんは近くにいますか?』

「いや、先に帰ってるはずだが、どうしたんだ?」

『この街に通り魔が出てるらしいんです。さっき、衛兵が屋敷に来て、注意喚起をしていきました。』

「マジかよ、すぐに探す。」

『私たちも屋敷の周辺を探します。』

「ああ、頼んだ。」

何だってこんな時にそんなヤツが出るんだよ。



「イヤアアア!」

悲鳴だ。屋敷とは反対方向じゃねえか!

何だか嫌な予感がする。

「嬢ちゃん、悲鳴が聞こえた。今からそっちに向かう。」

『了解です。』



マリア視点


はぁ、カイトさんに告白したけど、あの反応は断られるんだろうな。

辛くて逃げてきちゃった。


私は落ち込んだ気持ちを落ち着かせるために、街の中心にある塔を目指した。

何か嫌なことがあればそこにいって周りを見るのが習慣になっているのだ。



何だかいつもと雰囲気が違う。

ピリピリと嫌な予感がする。

人通りは無いのに誰かが見ている気がする。

「誰かいるの?」

思わずそう問いかけるが答えは返ってこない。


早く帰ろう。

そう思って走ると、後ろから足音が聞こえる。


怖い。


止まれば死ぬ。

そう直感した。



「はあ、はあ、何なのよ。」

足が限界をむかえ座りこんでしまった。

もう一歩も歩けそうにない。


ヒタヒタと後ろから近づいてくる。

最期に文句の1つでも言ってやろうと後ろを見ると、

「ヒッ」

そんな考えはなくなってしまった。

顔面に包帯を巻いた男が鉈を持っていたら誰でも怖気付くだろう。



「ヘッヘッへ、俺に生の実感を味あわせてくれ。」

その鉈を振り下ろされる瞬間、少し身体を後ろに倒した。

「ウグ!」

死なないとする本能の行動だったのだろう。

そのおかげで、腕を少しケガしただけですんだ。

でも、通り魔はその行動がカンに触ったらしい。

「テメェ!避けてんじゃねえぞ!」

通り魔は私の髪の毛を掴んで今度こそ逃げられないようにした。



痛い、怖い、死にたくない。

「イヤアアア!」

最後の力を振り絞って通り魔を突き飛ばした。

前髪はブチブチと抜けてしまったが、そんな事はどうでもいい。


走れないと思っていたが、最初よりも速く走っているのかもしれない。

それでも、通り魔からは逃げられなかった。

「アアアア!」

何かが、身体に刺さった。

見ると、背中に鉈が刺さっていた。

それを見ると同時にバランスを崩し、倒れこむ。

地面に広がる自分の血を見て、これは助からないと自覚する。


「マリアさん!」

ああ、最期に聞きたかった声を聞くことができた。

悪いこともあったけど、最期は悪くなかったんじゃないかな…




カイト視点


俺がマリアさんを見つけた時、マリアさんは倒れており、背中に鉈が刺さっていた。

「マリアさん!」

近づき、容態を確認する。

「よかった。まだ死んでない。これならまだ」

常備している回復薬を傷口にかける。

完治には程遠いが死ぬことはないだろう。


「お前、その女の知り合いか?」

「お前がこんなことをしたのか?」

「ああ、そうだ。抵抗するからムカついたが、ようやく殺せる。お前も一緒に殺してやるよ。ヘッヘッへ」

「そうか、お前がこんなことしたのか。」

鉈を手にとり、相手に向け、

「殺してやるよ。産まれたことを後悔させてやる。」

おかしいな、こんなに続けるつもりじゃなかったのに。

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