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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
7.5章 メイの仕事(仮)
223/502

208話 狩りは難しい

街から少し歩いた所に森がある。

そこそこ大きな森で、魔物だけでなく動物も多く生息している。

「何匹倒せばいいんだっけ?」

「10匹以上って書いてあったわ。」

「後ろをついて行くので、なるべく2人でやってみて下さい。」

「分かったわ。」



草木を掻き分け、ゴブリンの痕跡を探す。

「うーん。いないね。」

「これは?果物を食べた後があるわ。」

「歯型を見るに、ゴブリンじゃないですよ。」

「えー、サッと見つかるものだと思ってたけど、中々見つからないわね。」

「現実はこんな物ですよ。」

「この匂い、路地裏にいるホームレスの人達の匂いに似てる。」

「ホントね、ちょっと臭い。えっと、風上はコッチね。」

「あ、いたよ。3匹だけだね。周囲に他のゴブリンはいないみたい。」

「アリュール、やってくれる?」

「うん、ルゥやっちゃって。」

『分かったわ。』

氷の矢が飛んでいき、ゴブリンは絶命した。

「回収するのは、ゴブリンの右耳だよね。見てよこれ、こんな小さな部位にも骨がビッシリと詰まってるんだよ。ちょっと硬いんだよね。」

「見せなくていいから。」

「では、次に行きましょう。」



アリュールが木に付けられた傷を見つけた。

「この引っ掻き傷は、縄張りの印かな?」

「そうですね。ただ、ゴブリンの手より大きい気がします。」

「ゴブリンの上位種がいるのかしら?気をつけないといけないわね。」



それから数分後、

「あ、いたよ。今度は1匹だ。」

「スリリングショットの練習していい?魔物に使えるか試してみたくて。」

「うん、いいよ。」

「ふんん、えい!」

力いっぱい引いて放たれた鉄球は、ゴブリンの頭にクリーンヒットした。

「やったわ!当たった!」

「おお!すごい!」

「あら?魔物動かないわね?」

「あれ、死んでますよ。」

「え、なんで?」

「弾が頭を貫通したようです。」

「そんなに威力があるものなの?」

「命中精度が向上する魔法しか付与していないんですけど、結構威力出ますね。」

「これで威力向上なんて魔法を付与したら恐ろしいことになるわね。」

「護身用の威力じゃないよね。」

「まあ、一撃で倒せたんですから、いいと言うことにしておきましょう。」

「そうね。」



さらにゴブリンを探す。

「メイちゃん、この森ってゴブリンみたいな弱い魔物しかいないんだよね。」

「そう聞いていますよ。」

「この爪痕、弱い魔物だとは思えないんだけど。」

「これは…久しぶりに見ましたね。グレートグリズリーですね。」

「それってBランクの魔物だよね。」

「はい、森で戦うとなるとかなり不利です。なので、一旦引き上げましょう。」

「そうね、ちょっと暗くなってきたし、また明日にしましょう。」


そうして来た道を引き返そうとした時、

「ガオアアア」という威嚇の声と

「うわぁぁぁ」という悲鳴が聞こえた。

「グレートグリズリーの縄張りに入った人がいるようですね。私は先行するので、2人は警戒しながらついてきてください。」




メイが悲鳴の元まで行くと、4人の冒険者が剣を振り回しながら、グレートグリズリーを近づけさせまいとしていた。

「こっちに来るな!クソが!」

グレートグリズリーは弱い場所を探しているのだろう。

冒険者の周りをゆっくりと回っていた。



メイはグレートグリズリーの死角から背中に飛び乗り、全体重をかけて剣を脳天に突き刺した。

「グアアアア!」

グリズリーは暴れ回り、メイを振り落とそうとした。

メイは背中から飛び降り、暴れるグリズリーの首を切り落とした。


「ふぅ、大丈夫ですか?」

「え、ああ、大丈夫だ。ありがとう。」

「こんなヤツがいるなんて聞いてないぞ!」

「森の浅い所にいるということは、恐らく、スタンピードの生き残りでしょう。ギルドに調査してもらわないといけませんね。」

「そうだな。キミ1人なのか?他の仲間は?」

「後で追いついてくると思います。」

「メイ!大丈夫なの!」

「大丈夫ですよ。」

「メイちゃん速すぎだよ。全然追いつけなかった。」

「こんな大きな熊を倒したんだ。すごいね。」

「もう、真っ暗ですね。早く帰りましょう。」


グレートグリズリー討伐の証として、牙を採取して一行は帰路についた。

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