20話 プロローグ
とても短いです。
カクヨムで連載始めました。
???視点
「炎龍を倒したという者が王都にくるそうじゃないか。」
「龍をですか。どのような者でしょうか。」
「学園にも入れない程幼い娘らしい。」
「なんと、そのような娘が…、信じられませんな。」
「儂も信じてはおらぬ。」
「ヘイミュートの小僧が何か策でも弄したのだろう。」
「ヘイミュート辺境伯ですか、彼が何の策も無くこんな事をするとは思えないのですが。」
「そうだな、だからその娘はそこそこの腕なのだろう。」
「そこそこですか。しかしどうしてこんな事をしたのでしょう?」
「報奨金が欲しかったか、王家の覚えを良くしたかったのだろう。」
「もし嘘がバレれば、どうなるかは分かるだろうに。」
「十中八九嘘だと思うが、もしその娘が本物だったとしても所詮は小娘、どうとでもできる。」
「どうやって本物か見分けるのですか?」
「騎士団をぶつける。お前なら勝てるだろう?」
「はい。お任せ下さい。必ずや化けの皮を剥いで見せましょう。」
「いつの間に!話を聞いていたのか!」
「待て、こやつは儂らの味方だ。」
「そ、そうですか。」
「どれほど腕が立つのかは知らぬが、本気の騎士団と戦って勝てるはずもない。それこそ本当に龍を倒してもいない限りな。」
「最強の騎士団長サイレス・ガイル殿ならば必ず勝てますな!」
「ククク。馬鹿なやつらだ。我が何者なのかも気づかないで。小娘には、同胞を殺した報いを受けさせてやろう。我らを敵にまわして無事でいられると思うなよ。」
こうして夜は更けていった。
何を相手にしようとしているのかも知らずに…。