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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
7章 強さを求めて
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197話 復讐心

「ねえ、いい加減死んでくれない?クヒヒ」

「お前こそ、いい加減諦めたらどうだ?」

糸には毒が滴るほど染み込まされており、それが気化することで、毒を無意識に吸わせているらしい。


糸をかいくぐり、攻撃しようとするが、糸を使い上手く避けられてしまう。


「そこだ!」

「おっと、危ない。」

「糸で移動するなんて…スパイダー…『おい、そんな状況じゃないって分かってるよな?』あ、はい」




「決め手に欠ける。どうすべきか…」

「おい!お前たち!そこで何をしている!」

「げ、衛兵かよ。屋根の上で暴れてたらそりゃ怪しまれるよな。」

「邪魔なのが来たね。殺しちゃおうか。」

ランメルの意識が衛兵に向いた瞬間、カイトはランメルに接近した。

「させるかよ!」

「クヒヒ、こっちに来ていいのかい?」

ランメルはカイトのことは構わず、衛兵に攻撃を加えようとした。

「対処済みなんだよ!」

「何?」

カイトがいた屋根の上を糸が通り過ぎた瞬間、罠が作動し糸が断ち切られた。

「よそ見してていのかよ!」

「チッ!」

カイトの攻撃を糸を使って回避しようとしたが、回避しきることはできず、足に傷を負った。

「今までみたいにピョンピョン飛び回るのはできなくなったな。」

「糸があれば足が使えなくなっても問題無いさ。クヒヒ」

「その糸ってのはこれのことか?」

カイトの手には巻かれた糸が握られていた。

「それは…替えの糸か。いつの間に」

「俺は手癖が悪くてね。さっきみたいな罠をいくつも設置しておいたぜ。うっかり踏めば真っ二つだな。」

「それで勝ったつもりかい?こんな風に糸の上に乗ってしまえば、罠なんて怖くないさ。というか、衛兵はどこに行ったんだい?」

「あれ、いなくなってる。」

「クヒヒ、隙あり!」

「それは汚い!」

「汚いもクソもないさ。殺し合いだからね。クヒヒ」

「それもそうだな。あんまり使いたくなかったが、本気を出してやる。うっかり死んだからって恨むなよ。」

「それはこっちのセリフだよ。クヒヒ」



「いくぞ、炎剣«炎獄の火柱(バーニングピラー)»」

「細切れになれ!操糸術«収縮する鳥籠シュリンク・ストリング»」




炎の魔剣と鋼鉄をも切り裂く糸がぶつかり合った。


魔力で強化されているとしても糸が炎に耐えられることはなく、あっけなく燃え尽きた。


「降参しろ、お前が仕掛けた糸も全部燃やし尽くした。ここから逆転は不可能だ。」

「クヒヒヒ、やってみなければ分からないんじゃないかな?ボクは生きている限り君の命を狙う。蛇は執念深いからね。クヒヒヒヒヒ」

「お前がやってきたことはキチンと裁かれなければならない。だから、俺はお前を殺さない。」

「甘い、甘いよ。そんなことじゃ、また君の大切な人を無くすよ。その時の君の顔が楽しみだよ。クヒヒヒ」

「そんなことはさせない。俺の仲間は強いから。」

「さっき、君は糸を燃やしたと言ったね。でも、地面の中は確認したかい?」

「何!?」

地面から大量の糸が現れ、カイトに襲いかかってきた。

「クソが!!」

「クヒヒヒヒヒ、殺さないからこうなるんだよ。じゃあね、また遊ぼう。」

「おい!絶対に逃がさないぞ!」

「そうね、逃がさないわ。」

ズドンと衝撃音が響き渡ったと思うと、ランメルの胸に穴が相手いた。

「サキ!」

「クヒヒ、これは…やらかしたなぁ」

サキはランメルの顔に手をかざすと、

「さよなら、オバサン」

手から魔法を放ち、顔を跡形もなく消し飛ばした。

「サキ、なんでここに…」

「アンタ、変なところで抜けてる所があるから逃がしちゃうかもと思ってね。そしたらホントに逃がしそうになってたしさ。」

「殺す必要はあったのか?」

「あったわよ。アイツは武器が無くても十分強いわ。並の兵士じゃ、簡単に逃げられる。だから、殺さなくちゃいけなかったの。」

「俺は、お前が復讐のためにやったように見えたぞ。」

「それはアンタの主観でしょ。それよりも、さっきの衛兵が起きちゃうわ。死体を処理して帰るわよ。」

「突然いなくなったのはお前の仕業だったのかよ。」

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