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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
6.5章 弟子たち
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176話 入場制限

「なあ、このダンジョンって何層まであるんだ?」

「話して無かったけ?」

「聞いてない。」

「15層までしか行けてない。」

「てことは全部で何層かは分からないのか?」

「そうだよ。」

「15層は何がいるんだ?」

「ゴブリンキングとゴブリンガーディアンだよ。」

「王と親衛隊か、聞くまでもなく強いんだろ?」

「そうだね。まだ突破出来た人がいないからね。」

「俺たちで倒そうぜ。無理なら師匠に鍛えてもらえればいいさ。」

「まあ、行けるところまで行く気ではあったけどさ。」

「俺たちどれくらい稼いでるんだ?」

「2人合わせて50万くらいかな。」

「それにこの前見つけたお宝か。これで飢えずにすむ。」

「シャレにならないんだけど。」

「俺たちここに来てまだ2週間くらいだよな。そこそこいい稼ぎでは?」

「それに大きなケガもしてないし、他の人達と比べてかなり稼げてるよ。」

「やっぱ昔もらった師匠の魔道具《ナース1号》が強いよな。」

「簡易的な回復術が使えるようになってるからね。これホントにどんな原理何だろう。」

「俺たちホントに頼りきりだな。」

「いつか恩返しができるようにならないとね。」



2人は手頃な依頼が無いかギルドに確認しに来ていた。

「これとこれ、どうだ?」

「それ手間がかかりそうだね。こっちは?」


相談しながら依頼を決め、いざ出発をしようとすると、受付嬢に呼び止められた。

「ちょっと待ってください。」

「ん、どうした?」

「お二人は15層まで行くんですよね?」

「そうだな。」

「ギルドでは基本的に個人の判断に任せますが、無駄死にさせないようにいくつか制限があります。」

「ふん、前に言ってたな。」

「このダンジョンでの制限とは14層以降は回復術士(ヒーラー)がいなければいけないんです!」

「俺たち14層もう行ってるぞ。」

「知っています。だから何度も言ってるのに!いっこうに回復術士を仲間にしないんですよ!」

「言われてたっけ?」

「言われてたけど、ガキ2人のパーティに入りたくないって言われ続けてる。」

「お願いですから15層へは回復術士を連れて行ってください。回復術士を仲間にしない限り、15層に行くのは禁止です!」

「俺たちケガしても治せる魔道具持ってるぞ。」

「何言ってるんですか。魔力が燃料の魔道具でどうやったら聖気が燃料の回復術を使えるって言うんですか。嘘ついてもダメですよ。」

「嘘じゃないって、俺もどうなってるのかは分からないけど、事実なんだ。」

「ハイハイ、15層まで行かなければいいので、頑張って稼いできてください。」

「話聞けよ!」

「助けてくれ!!」

血まみれの男が仲間を担いでギルドの中に入ってきた。

罠に気を取られてやられたらしい。


「ここに回復術士はいないのか!」

「俺たちに見せてくれ。」

「回復術士か?」

「とりあえず応急処置をするぞ。まず水と清潔な布はあるか!」

「今職員が取りに行ってる!」

「なら、鎧を脱がす。」

男の鎧は切り裂かれ、鎧の用途をなしていなかった。

鎧を脱がし、水を含ませた布で拭く。

「ちょっと膿んでるな。もう菌が中に入ったのか。酒を持ってきてくれ!」

持ってこられた酒を傷口にかける。

「グウウ」

「滲みるだろうが我慢してくれ。…俺たちにできることはこれくらいか?」

「これ使ってみないか?無いよりマシだろ。」

「ナース1号か、そうだな。」

「なんだそれ?」

「まあ見てろ。」


ナース1号に魔力を通すと、聖術の優しい光が辺りを照らした。

「これがどれだけ効くかによるな。」


少しの間当て続けると、傷が逆再生でも見ているかのように消えていた。

「あれ、これって簡単なケガだけ治るんじゃないんだ。」

「簡易的とは。」

「き、奇跡だ!仲間を助けてくれてありがとう!」

「い、いや、素直に喜びづらいな。」

「何なんですかそれ!ホントに魔道具で聖術を使うなんて…」

「これがあれば15層に行ってもいいだろ?」

「まあ、確かに。分かりました。許可しましょう。」

「やったな。」

その後2人はどこで魔道具を入手したのかを聞かれ、逃げるようにギルドを後にした。

ナースシリーズ・・・メイが魔力を聖気に変換する機構を付けた治療用の魔道具。現在3号まで完成しているが、魔力の消費を抑えるたり、小型化したりなどの変更であり、機能面ではほぼ変わっていない。

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