162話 誰に似たの?
変な噂が流れているらしい。
ニコラス先生が銀髪の少女と街を歩いていたというのだ。
この噂のせいで、ニコラス先生は子供が好きなのではというデマも流れている。
絶対にMarkVIIのことだよね?
データ収集のために研究室に置いてきたけど、失敗だったか?
今は変な服(メイド服や制服など)を着せてなかったことを喜ぶべきだな。
社会的に死にかねない。
あの人は気にしないと思うけど。
「メイ君、アリュール君、ちょっといいかな。」
噂をすればなんとやらか。
「今度の授業についてなんだが、」
「あの、MarkVIIをあまり連れ回さない方が良いと言いましたよね。噂になってますよ。銀髪なんて珍しい髪色のせいで私がその相手なんじゃないかって言われてるんです。」
「データを収集したいと言っていたから外に連れて行ってみたんだ。」
「それはまだ早いんですよ。もう少し、プログラムが出来上がってからする予定だったんです。」
「それに、銀髪なんて珍しい髪色にしたのは君じゃないか。」
「私をモデルにしてるんだから当然でしょう。それもあるので外に連れて行くなと言ったんです。」
「マークセブンって何?」
「アリュール君はまだ見ていなかったね。ゴーレムのことだよ。」
「あれ完成したんだ。メイちゃんの基準が高すぎて完成しないと思ってた。」
「戦闘用ではなく、家事専用にしたんです。これでどの部位に力が掛かっているかが分かるようになります。」
「まだ完璧じゃないのかな。」
「そろそろ授業だ。用件は研究室で話すことにしよう。では、また。」
放課後、三人で研究室に来ていた。
「おお!メイちゃんが二人いる!しかも動いてる!」
『あまり乱暴にしないでくだサイ。ワタシの装甲は厚くないのです。』
「ごめんね。でも、メイちゃんより目付きが柔らかい気がする。」
「目付きが鋭くてすいませんね。」
「メイは今のままでも可愛いわよ。」
「お名前は?」
『ワタシはナナ、ご主人様に付けていただきました。』
「何してるんですか。」
「名前を付けろとうるさかったんだ。しょうがないだろう。」
『ところで、戦闘用の機体もあるのか?』
「未完成品ではありますが、あります。」
『少し見せてくれ、訓練に使えるかもしれんからな。』
「いいですよ。MarkV、MarkVI、起動。」
黒い渦が発生し、そこから二体のゴーレムが出現した。
『お呼びですか、マスター。』
「そこに立ってください。」
「メイちゃんの男の子バージョンだ!」
「少しガシッとした体格なのね。」
「丈夫にすると少し太くなってしまったので。」
「MarkVIIそこにならんでくだ…」
『ワタシはナナです。間違えないですくだサイ。』
「Mark…」
『ナナ』
「この頑固さ誰に似たのか。」
「メイね。」
「メイちゃんだよ。」
「メイ君だな。」
え、私ってそんなに頑固?