155話 何でここに・・・
アザーグリスのことを鎧男と呼ばせることにします。
「吾輩の攻撃を避けるとはやるではないか。まだまだ行くぞ!」
振り上げ、振り下ろし、そのまま回転してから袈裟斬りそれらを紙一重で避けながら相手を分析する。
「これで終わりではないですよね。」
「当然よ、ただのウォーミングアップだ。貴様の魔法のおかげでいつもより早く身体が暖まった。だが、如何せん暑すぎるわ。」
「では、消して見ればいかがですか。」
「良いだろう。フウン!」
大きく斧を振るった時、魔剣の力も使っていないのに衝撃波が発生した。
その衝撃波により魔法の炎は消え去った。
「これでどうだ?涼しくなっただろう。」
「ええ、そうですね。四神将なんて名乗るだけの事はあります。久しぶりに楽しくなってきました。」
音が置き去りにされる程の速さで振るわれる斧を避けつつ攻撃をしていく。
「もっと本気をだせ!その程度では吾輩の鎧に傷一つ付けられぬぞ!」
「«巨大化»」
突然、斧が一回り巨大かした。
鎧男のヘルムの奥からは仕留めた!と言わんばかりの笑みが溢れていた。
重!大きくなった影響で重さも倍増しているようだ。
それを何とか弾き、返す刀で、
白銀流«斬鉄»
を繰り出す。態勢が崩れてしまったいたため、両断することは叶わなかったが、鎧の前面を切り裂くことができた。
白銀流なんて言うのは負けたみたいで気に食わないが、こっちの方が言いやすいから仕方ない。
「ハッハッハ!すごい、すごいぞ!先の攻撃を躱しただけでなく吾輩に攻撃をしてくるとは!」
「まったく、さっきの攻撃であなたを殺せなかったことを後悔していますよ。」
「そんなに釣れないことを言うではない。もっと吾輩と楽しもうではないか!」
「いえ、もう終わりです。」
その声は鎧男の背後から聞こえた。
いつの間に後ろに移動したのかと向き直ろうとした瞬間、鎧は破壊され、全身から血が噴き出した。
「ガア!何だこれは…」
「あなたとの時間は楽しかった。でも、時間を掛けすぎた。」
「ハハ!そうか。武人として強者と戦い、命を落とすのなら本望だ。しかし、吾輩はまだ死ねない。返さなければならない恩があるのだ。…今だ!」
その時、木々の間から大量の魔物が出てきた。
私が対処している間に逃げるつもりなのだろう。
逃がす気は無いが、魔物の量が多すぎる。
これでは逃げられてしまうだろう。
どうする、どうすればいい?
悩んでいる間にも猛烈な勢いで魔物は迫ってくる。
仕方ない。魔物の対処が先だ。
そう思い、魔物の群れに突っ込もうとした時、後ろから魔法が飛んできて、魔物を焼いた。
「メイ!事情はよく分からないけど、魔物は私たちに任せて!」
「カレン!?」
「私たちもいるよ!」
「アリュール、カイトも。」
「すまねえ嬢ちゃん!事情は後で話す!」
「ありがとうございます!任せます!」
追撃戦と行こうじゃないか。