151話 検証
「悪魔を分離ってそんなことできるの?」
「私が手伝って欲しいと言っている時点で、分かりますよね?」
「なるほど、私干からびない?大丈夫?」
「大丈夫ですよ。ただ、広範囲に使うことになるので、一人では難しいんです。」
「分離した後の人達はどうなるの?」
「ある程度の記憶の混濁があると思いますが、それ以外は何も無いはずです。」
「そうなんだ。」
「一応、解除出来るかどうか確認しましょう。」
違う部隊を誘い出し、逃げられないようにする。
空間魔法«亜空間結界»
「これであの空間には出入りすることはできなくなりました。」
「空間魔法って。」
「一緒に唱えてください。」
聖術«融合解除»
滅魔魔法«悪魔殺し»
「あ、倒れたわ。」
「急に元に戻ったんです。ワケが分かりませんよね。」
「というかメイさんが使った魔法全部私が知らないものだったわ。特に滅魔魔法って何よ。」
「滅魔魔法は悪魔を倒すためだけの魔法なので、使いどころがほとんどないんですよ。」
「聖術は?」
「あれは、悪魔を分離させるために使いました。悪魔以外にも人に取り憑く魔物はいるのでそれの対処に使います。」
「一番気になってたのは空間魔法よ。何あれ、空間と空間を隔てて壁を作るなんて、どれだけ魔力があればできるのよ。」
「頑張って魔法陣を改良したんですよ。その結果、そこそこの魔力で使えるようになりました。」
「何か納得いかないわ。それで、悪魔憑きは治せたの?」
「はい。今見ている限りでは問題無さそうです。」
「この人たちどうするの?」
「連れて帰りましょう。悪魔憑きを解除できる人間がいるということを知られたくはありません。それでは帰りましょう。作戦を進めるにしても辺境伯様の助けが欲しいので。」
辺境伯軍の陣営まで帰ってきた私たちは辺境伯に事情を話した。
「敵の兵士を攻撃してもすぐに再生すると報告を受けていたが、その理由が悪魔憑きだったとはな。」
「あれを倒すことはかなり難しいでしょう。」
「どうにかすることはできないのか。」
「できます。そのために辺境伯軍を動かしてほしいんです。」
「軍を?」
「敵を包囲し、その兵士を起点として結界を張ります。
その中で分離させれば、悪魔憑きを解除できます。」
「分かった。準備させよう。このままではヤツらになすすべがない。準備ができるまでゆっくりしているといい。」
「分かりました。」
「ようやく休めるわ。メイさんについて行くのは結構疲れるのよ。」