16話 名剣ジューン
授業を受けていたある日のこと、
「あなた、どうしてそんなに強いの?」
「色んな敵と戦ってきましたから。」
「どんな敵と戦ったの?」
「ゴブリンの群れやグレートグリズリー、魔族や炎龍です。盗賊とも戦いましたね。しかもこの一年の間に。」
「濃密すぎない?」
「知りませんよ、向こうがかってに来るんです。」
「メイ、あなたどんな戦い方をするの?」
「私は魔法剣士なんです。魔法戦や剣術、格闘戦などの近接戦闘でもなんでもいけます。」
「魔法剣士はそんなに強くないって聞いたのだけど?」
「それは参考にした人が悪いのでしょう。現に私は炎龍を倒すことが出来ているのですから。」
「確かにそうね。私にもできるかしら?」
「カレンには向いていませんよ。どんくさそうですから。」
「まぁ、なんてこと言うのかしら。」
「フフ、ごめんなさい、あまり怒らないで。」
「全くもう。」
「やぁ、カレンちゃんとメイくん。」
「辺境伯様。」「お父様!」
「カレンちゃんは今日も可愛いね。」
「フフ、何か用があったの?」
「あぁ、そうだメイくん、君専用の剣がようやくできたらしい。」
「そうなのですか、どこに行けばいいですか?」
「目がキラキラと輝いているね。私も一緒に行くから少し待って欲しい。」
「私も行くわ!」
「じゃあ、二人で待っていてくれ。」
「お待たせ、それじゃあ行こうか。」
「はい。」
剣を作った工房は屋敷から少し行った所にあった。
「お邪魔するよ。」
「おお、旦那、連れて来てくれましたかい。」
「ああ、この子がそうだよ。」
「はぁ〜、この子が剣の柄を砕いたんですかい。」
「そうなんだよ、我々も驚いてね。」
「信じられんが、まぁいい。ご依頼の剣はこれでさぁ。」
「あの、この方は?」
「ああ、これは失敬、俺はドワーフのリンドって言うんだ。新しい武器が欲しくなったり、武器の整備は任せておけ。んで、この剣の説明なんだが、柄は龍の中で最も硬い骨を使い、刃は炎龍の逆鱗を使った。」
「いい剣ですね。これなら全力を出しても壊れなさそうです。」
「かっこいいですわね。私も何か自分専用のものが欲しいですわね。」
「カレンちゃんはもっと大きくなったらね。」
「しょうがないですわ。」
「この剣の名前なんですが、自分で決めていただいて結構ですぜ。」
「この剣の名前…。」
「ジューンでどうかしら。」
「ジューン?」
「ええ、ジューンベリーからとったの花言葉は穏やかな笑顔、メイにピッタリだと思うの。」
「いい名前だと思うよ。」
「そうですね。この剣の名前はジューンにします。」
「友情とは良いものですな。」
何頷いとんねん。変な関西弁出てもうたやんけ。
ジューンか、これからよろしくね。
メイの一年が濃密なのは作者の都合のせいです。
ごめんねメイちゃん。