148話 拷問は苦手
拷問シーンがあります。
苦手な方は見ないことをオススメします。
(そこまでリアルじゃないと思う)
「魔法の知識が避けれたのに。」
「魔法の知識があればこんなことやってないわよ。」
「そうでもありませんよ。これを見てください。」
「これって、帝国軍の紋章?」
「帝国の兵士がこんなところにいるなんておかしいと思いませんか。」
「そうね。国境線沿いにいることはあってもこんな内地まで来るメリットが無いわ。それに橋を落とすなんて大それたことをしたらこの土地を所有する貴族に目を付けられるし、いいことなんて何もない。」
「この服の汚し方、ワザと汚したとしか思えない汚れ方してますし。」
「どこら辺が?」
「ほら、インナーの中まで泥でカピカピになっています。ここまで来れば普通洗いますよね。」
「そういうの気にしない人なんじゃない?」
「ここにいる全員がそうですよ。まるで、泥の中にわざわざ飛び込んだかのような汚れ方です。」
「なるほどね。」
「十人もいらないですし、何人か始末しましょうか。」
「そうね。馬車にも乗せられないし、メイさんなら橋を直せるよね?」
「急造のものならすぐにできますよ。」
「なら、あの馬車4人乗りなのよ。御者は数えられてないから後3人なら乗せられるわ。」
「話を聞いたあとは殺しますし、何人もいりませんよ。リーダー格のこの人だけ連れていきましょう。」
「じゃあ、パパっとやっちゃうわよ。」
「コイツらって何が目的だと思う?」
「十中八九帝国軍の裏工作部隊ですよね。」
「まあ、そうよね。なんでこの時期なんでしょうね。」
「何故とは?」
「実は帝国は5年おきに大寒波が襲うの。それは今年の冬のはずだからそのための準備をしなければならないはず。このままじゃ遠征をしたせいでロクに準備ができないわ。そうなったら帝国は壊滅する。」
「占領した地域を略奪でもする気でしょうか?」
「目的が分からないわ。まったく、気持ち悪いわね。」
日が沈みかけ、野宿の準備をしていたころ、ようやく男が目を覚ました。
「ここは…」
「サキさん目を覚ましたようです。」
「ようやく?ずいぶんとよく寝ていたわね。」
「お前達は誰だ!」
「あら、自分たちが襲った相手も覚えていないの?」
「確か、馬車に乗っていたガキどもか、仲間はどこだ!」
「仲間想いね。私たちの質問に答えてくれたら仲間のところに連れて行ってあげる。」
「お前らに話すようなことは何も無い!ッグア!」
「メイさん、手を出すのが早いわよ。もうちょっとゆっくりやってあげないと、人間って案外簡単に壊れちゃうのよ。」
「ふむ、勉強になります。」
「俺で拷問の勉強するんじゃねえ!」
「目の前にちょうどいいのがいるんだから使うに決まってるじゃない。」
「こんな感じですかね。」
「そうよ、いい感じだわ。」
「グギギ!お、お前ら質問があるんだろうが!」
「話さないって言ったのはそっちでしょう。だから私たちは話したくなるようにしてあげるだけ。」
「聖術も使えるので、死ぬことはありませんよ。安心してください。」
「美少女二人にここまでやってもらえるなんて幸運ね。感涙で咽び泣くがいいわ。」
「や、やめろ!ムグッ!」
「うるさい口ね、塞いであげるわ。」
少し楽しそうにやると心を折りやすくなるらしい。
拷問って難しいな。
メイとサキは好きで拷問をしているワケではありません。
この話を読んでエグいから嫌いというのはやめてあげてね。