季節ss 夏休み編
学園編に合わせようと思ったら、夏休み終わってました。遅めの夏休みということでここは一つ
アリュール視点
夏休みになって少しした頃、カレンちゃんに女子会するからと言われお屋敷に行くことになった。
「こんなに立派なお屋敷に住めるなんてホントにすごい貴族なんだ。」
そんな子と友達になっていると思うと自分が少し偉くなったように感じる。
呼び鈴を鳴らし少し待つ。
「あら、アリュールちゃんじゃない。あの二人にご用かしら?」
「サキさん。そうなの、女子会するからって誘われて。」
サキさんはお屋敷で働くメイドなのに気さくな人だ。
サキさんいわく使い分けてるらしい。
サキさんに案内されて奥へと進んでいく。
私ががこんな場所に来れるなんて夢にも思っていなかった、やっぱり持つべきものは友、なのかな?
話しながら廊下を歩いていると、二人の声が聞こえた。
「ダメよ…そんなに強く擦っちゃ…壊れちゃう。」
何の話をしてるの!?
「大丈夫ですよ…漏らさないかどうか…確認しないと」
漏らすってなに!?
サキさんは何の躊躇なく部屋をノックする。
「失礼します。お客さんです。」
「はーい、入っていいわよ。」
サキさんは部屋に入っていく。
私も意を決して部屋に入ると、メイちゃんが煤けた壺を持っていた。
「な、何の話をしてたの?」
「聞いてよアリュール。メイったら倉庫にあった壺を持ってきて、壊しそうなくらい力を入れようとしてるのよ。」
「これくらいでは壊れませんよ。壊れるならヒビが入っている時くらいです。」
「メイの力で擦ったら簡単に壊れちゃうわよ。」
「そのくらいの力加減はできますよ。」
「それにしてもアリュール。顔が真っ赤だけど私たちが何の話をしてると思ったの?」
「え!い、いやなんにも思ってないよ!ただ気になっただけだから!」
「そんなに否定されると気になりますね。」
なにもなくてよかったけど、聞き出すために体をこしょばすのはやめて!?