15話 初めての友人
「あなたが炎龍を倒したって子ね!私の下僕にしてあげても良いわ!」
「...?ああ、あなたがカレン様ですね。どうして下僕なのでしょう?」
「え、だって...そう!あなたが平民だからよ!」
「私はあなたとお友達になりたいです。」
「え?ど、どうしてもって言うなら、と...友達になってあげても良いわよ。」
「どうしてもです。友達になってくれませんか?」
「しょうがないわね。友達になってあげるわ。感謝なさい。」
「フフ、とっても嬉しいです。」
私は見た瞬間分かった。この子はツンデレッ子だと!
かわいすぎてつい、友達になろうって言ってしまった。
「あなた名前は?」
「私はメイと言います。」
「なら、メイと呼ぶ代わりに、あなたも私のことカレンと呼びなさい。」
「え、でも。」
「と、友達なんだからそれくらい普通よ。それとも、呼び捨ては嫌だった?」
「嫌じゃないです。分かりました。二人だけのときはカレンと呼ばせてもらいます。」
上目遣い可愛過ぎん?即答しちゃったじゃん。
辺境伯が天使というのも頷ける。
「実は私、村では友達がいなかったんです。なのでカレンが私の初めてのお友達なんです。」
「そ、そうなんだ。私も友人がいなかったから...おそろいね!」
「そうですね。」
そうして二人で話していると、メイドがやって来て、
「礼儀作法の先生が到着なされました。」
と言った。
「じゃあ、行きましょうか。」
「そうね。」
「あなた達がメイさんとカレンさん?」
「はい。」「そうよ。」
おっとりとした貴婦人が聞いてきた。
「まずは言葉遣いがどれくらい出来るか知りたいのだけれどいいかしら。」
「はい。」「良いわよ。」
「では、私を目上の人だと思って話して下さい。」
そこから十数分ほど3人で話した。
「メイさんは言葉遣いは直すほどではないのですが、パパ、ママはいただけません。人前ではお父様、お母様、家族の間ではお父さん、お母さんと呼ぶこといいですね?」
「は、はい。」
「フフン。」
「カレンさんはちゃんと敬語が使えるようになりましょうね。」
「はい。」
礼儀作法の先生が帰ってから、
「筆記の先生がいらっしゃいました。」
「筆記って何するんですか?」
「えっと、算学や歴史、魔法学とかよ。」
「へー、出来ますかね?」
「あなた、読み書きできるの?」
「はい、両親が教えてくれました。」
「フーン。」
おじさんの先生だったが、授業はあまり面白くなかったので割愛する。
算学はできたのだが、歴史と魔法学がさっぱりだった。
魔法学ならいけるかと思っていたのだが、前世では無い無駄なものがありすぎて全く理解出来なかった。
よくこんな物を理解できるものだ。
他にもダンスのレッスンもあるらしい。
はぁ、戦闘訓練だったら楽なのに、私には必要ないということでその授業は無いのだった。
はぁ、なんだかな〜。