141話 ゴーレムの生首
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ごめんなさい
「君たち、ようやく休みが取れたよ。次の休みにダンジョンに行こう。」
「泊まりですか?」
「そうだね。さすがに一日で帰ってくるのは強行軍すぎるからね。」
「分かりました。」
「服装とかどうしよかしら?先生ー、どんな服装がいいとかあるのかしら?」
「そうだね。冒険者の服装が一番なんだが、…制服で行こう。制服には防御魔法がかけられてあるから、そっちの方が安全だ。」
「メイは戦闘服持ってたよね。」
「持ってますけど、ダンジョンの話を聞く限り、そこまでの準備をする必要は無いような気がするので、制服で行きますよ。」
「そうなんだ。」
「…今さらなんだが、どうしてカレン君がいるんだ?」
「一緒にダンジョンに行くような仲なんだからそこまで不思議ではないのでは?」
「では、それは一旦置いておこう。なぜ、僕の研究室が人形で埋め尽くされているのかな?」
「魔法学のレポートでゴーレムを作ろうと思ったからですけど。」
「人間に限りなく近い人形がバラバラになっているのは?」
「部品ごとに作ってそれを組み立てるからですけど。」
「どうして、皮膚の感触すら、人間とまったく同じにしたんだい?」
「その場のノリと勢いです。」
「これなんて見てみろ!完全に生首じゃないか!」
「何か問題でも?」
「問題だらけだから言ってるんだろ。」
「まあ。」
「まあ。ちゃうわ、追い出すぞ、この野郎。」
「でもこれ、かなり精巧よね。完全に組み立てたとき、私本物と区別がつくかしら?」
「確かに、でもゴーレムって息しないんだよね。だったら口と鼻に手を当てれば分かるんじゃない?」
「それが本物の人間だったらどうするんですか。」
「そうだった。」
「これは何ができるゴーレムなんだ?」
「近接戦闘用のゴーレムです。」
「モデルは?」
「私です。」
「稼働時間は?」
「30秒ほどでしょうか。骨格の強度が足りないんですよ。」
「え、これの骨格って鋼鉄だよね?どんな動きをしたら30秒で壊れるなんてことになるの。」
「アリュール、前に言ったでしょ。メイはおかしいの、色々と。」
「酷い言われようですね。本当はもう少し実用性のあるゴーレムを作りたかったんですが、難しいんですよね。」
「そもそも、ゴーレムを動かせる術式を一年生で作れること自体おかしなことだと思うけどね。」
「メイちゃん主導だからおかしいって言われてもってところがあります。」
「やっぱり君か。」
「え、私が悪いんですか?」
「悪くは無いが、も少し簡単な内容の方がいいとは思う。僕もメイ君の入試を見ていたんだが、君の動き目で追えないレベルだっただろ。あのレベルで動けるゴーレムは今までの常識を覆してしまう。それはメイ君の望んでいることではないのではないかな?」
「また最初からやり直しですか。」
「えー!頑張ったのに!」
「カレンちゃん、私たちが頑張ったのってデータを書き写しただけだからそんなに苦労してないよ。」
「それもそうね。」
「おんぶにだっこ状態じゃないか…。」
「二人とも開き直ったみたいで。」
「エッヘン」
「カレンちゃん、褒められてはないよ。」