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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
5章 研究都市の変人
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140話 小さな願い

カレン視点


「アリュール、ちょっといいかしら。」

「カレンちゃん何?」

「メイとケンカしたって聞いたわ。」

「あれは…ケンカなんかじゃないよ。ただの私の嫉妬だよ。」

「嫉妬か。私もね。メイのことが分からなくなったときがあるわ。」

「どういうこと?」

「メイは小さなときからなんでもできたわ。賢いし、強いし、気配りもできる。メイドたちからは怖がられてたけどね。ハッキリ言って私はあの時、メイに嫉妬していたわ。それと同時に不安になった。もし私が貴族じゃなくなったら、メイは離れていくんじゃないかって、でも違ったの。メイはやりたくない仕事はやらないって言ったわ。メイは私のところに居たいんだってその時は思った。私はメイに何もしてあげられないけど、メイが帰ってくる居場所になろうって思ったわ。」

「居場所…」

「そう。メイは私たちなんていなくても何でもできる。でも、私たちがいないとメイは安心出来ないの。それに、メイに嫉妬しても意味が無いって分かっちゃったしね。」

「どういうこと?」

「メイのいる領域は簡単な努力や、才能だけではたどり着けない場所なの。メイは普通に訓練してるなんて言うけどそんなの嘘。ホントは血のにじむような努力をしているわ。メイよりも才能も、努力も足りない私が嫉妬なんて何様だって思ったの。根本的な解決にはなってないわ。でも、心の持ちようだと思うわ。」

「私は…」

「メイは謝ったんでしょう?ならそれは、メイがまた仲良くしたいって望んでるってこと。さて、後はあなたがどうしたいかよ。私たちがメイに何かしてあげたいと思うなら、メイの小さな願いを叶えてあげることしかないの。」

「小さな願いか。」

「そう、仲良くしたいっていう小さな願いよ。」

「そんなこと言われたら謝るしかないじゃん。」

「あら、ごめんなさい。」



後日

「メイちゃん、その、今まで避けててごめんなさい。今まで通り友達でいてくれる?」

「ええ、アリュールが望むなら友達でいましょう。」

「ウエーン!ごめんね〜。」

「泣く必要も謝る必要もありませんよ。」

「私、決めたよ。私は必ずメイちゃんに何かお返しをする!いつになるかは分からないけどね。」

「そうですか。期待せずに待っていますよ。」

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