138話 包帯
135話の弟子二人がクズだなという指摘があったので修正しました。
物語の大まかな部分は変更していないので、気になった方は見ていただければと思います。
「じゃあ、今から決闘を始める。名乗りは…人数多しいいや。じゃあ、始め!」
合図とともに障壁を作り出す。
とりあえず、一番近くにいた相手を叩きのめす。
ちなみにだが、今使っている武器は普段は使わない木の杖だ。
「ちょ!やりすぎでしょ!?」
「どうやれば倒したことになるのか言われなかったので。」
「先生!あんなのいいの!?」
「ルールに無いなら俺でもそうする。アイツは最初に確認していた。ルールはそれだけか?と。不備に気づかなかったお前の責任だ。」
一人を立てなくなるまで叩きのめしたことで、二の足を踏んでいるようだ。
まったく、最近の若者は弛んどるなあ。
「相手は一人よ!早くやってしまいなさい!」
カツが飛んできた。
本人は戦わずに外から文句言うだけなんだ。
数人が突撃してきたが、足並みを揃えることもしていない攻撃なんて、一体一と変わらない。
とりあえず全員氷漬けにして、最後の一人だけ風魔法で吹き飛ばしておいた。
そうするとやけに自信ありげなヤツが奥から出てきた。
「てめぇ強えな。この俺様があいt…」
「セリフが長い、次。」
何故か数で押してこようとしない。
もしかして長セリフの男は腕自慢だったのか?
「アンタたち男でしょ!ビビってないで戦いなさい!数もまだまだいるんだから勝てるに決まってるでしょ!」
目の色が変わったな。
さっきので、数の有利に気がついたらしい。
十数人全員が私を倒すために攻撃する。
すべての方向から色とりどりの魔法が飛んでくる。
障壁を張り直しながら、片手間で反撃する。
私に群がっている相手を全員吹き飛ばし、周りを見る。
全員地に伏せているため、戦闘不能と見て良さそうだ。
「先生、勝敗は?」
「この勝負はメイの勝ちとする。」
「嘘でしょ?あんなにいたのに全員やられちゃったの?ちょっとアンタたち起きなさいよ!」
「もう終わりだ。それで勝者の要求は?」
「そうですね。全員に剣術の補習をミッチリ受けさせてください。」
「嘘でしょ!?」
「それ、俺も巻き込まれてないか?」
「生徒のレベルアップに貢献できるなんて、教官冥利につきますね。」
「面倒事押し付けやがってよ。これは貸しにしとくからな。覚えとけよ。」
「生徒に貸しとか言う教官って何なんですか。」
「うるせえ!お前の言う通りやってやるんだ。文句言うな!」
「ハイハイ、ありがとうございますー。」
「誠意がこもってないぞー。」
「メイちゃん大丈夫。ケガとかしてない?」
「大丈夫ですよ。しててももう治ってます。」
「あれ?包帯が取れかかってるよ。直してあげるから腕出して。」
バッと包帯をおさえ
「自分で直すから大丈夫です。」
「でも、一人でするのは大変だよ。」
「大丈夫だと言っているでしょう!あっ」
「ご、ごめんね。うっとうしかったね。」
アリュールはそう言うと走りさってしまった。
「アリュール、待ってください!アリュール!…ああ、もう。」
「お前ら仲良さそうだったのに以外だな。」
「うるさいですよ。」
「ま、友達とはケンカするくらいが一番いいんだぞ。」
「知ってますよ。でも、さっきのは私が傷つけただけです。」
「お前が理由も無しにあんな風に怒鳴るワケないのはアイツも知ってるだろう。謝ることも大切なことだな。」
ダニエルは私の頭をグシャグシャと乱暴に撫でた。
「乱暴にしないでください。これちゃんとセットしてるんですから。」
「おっとすまねえな。」
前世ではこういうことは少なかったから何か新鮮な感じがするな。