14話 親バカ
13話の言い回しを修正しました 。
あの後、家に帰った私たちはママに事情を話した。
「そう、あなたの将来のためには良いにかもしれないけど...。」
「大丈夫、必ず帰ってくるから。今生の別れじゃ無いよ。」
「でも...。」
「セレン。」
「...分かったわ。頑張ってくるのよ。」
「うん。」
こうして、私は荷物をまとめた後、一人で村を出た。
馬車より走った方が早いんだよね。
え?両親との会話短いって?物わかりが良いだけだよ、多分。
荷物の中身は、着替えと盗賊の賞金と今までに回収した魔石から数個選んだものだ。他は両親にあげた。
魔力強化しながら走ること1時間、この前来た街へと着いた。
興味なかったのでこの街の名前は知らない。
街に入るときに役に立ったのが辺境伯直筆の身分証明書だ。
私は街に住んでいないため街が発行する身分証明書がもらえず、冒険者ギルドなどが発行するものもあるが、私は年齢で引っかかってしまう。そのため、辺境伯がくれたのだ。
辺境伯のサインがあるため止められること無く街に入れるのだ。
そうやって私は街に入り、食べ物や水を購入し、すぐに街から出た。
そこからまた1時間ほど走り続け、領都イエーグまでやって来た。
街に入った私は館を訪れた。
私はこの前と同じ応接間に通され、辺境伯が来るのを待った。
少しして扉が開き、辺境伯が入ってきた。
「思ったよりもお早いご帰還だね。」
「はい。やるなら早いほうが良いかと思いまして。」
「そうだね。君の教師はそろっているよ。ただ、武器の方はもう少し待ってほしい。なんでも龍の骨が硬すぎてもう少しかかると言うことだ。」
「そういうことなら、承知しました。あまり急ぐ必要はないと職人の皆さんにお伝えください。」
「了解だ。伝えておこう。それと、授業を私の娘と一緒に受けてほしいのだ。」
「娘さんですか?」
「ああ、そちらの方が時間の無駄も無くなるし、それに一人より二人の方が良いだろう。」
「分かりました。どのような方なのですか?」
「可愛らしい子だよ。カレンちゃんって言ってね、私の天使だ!」
「ア、ハイ。」
「なんだねその反応は。」
「いえ、立派に親バ...お子さんを大事になさっているんだなと思いまして。」
「今親バカって言ったよね、ねぇ。」
「いえ、そんなことは。」
「ちゃんと聞こえてたぞ。」
「そんなことより、私の先生になる方はどのような方なのですか?」
「そんなことって...ま、まぁ優秀な人だよ。なにせカレンちゃんの先生になるからね。」
「そうですか。優秀な方なら良かったです。あぁそれと、この前言い忘れていたのですが、魔族が村の近くにいました。その魔族は始末しましたが、気をつけて下さい。」
「何だと?分かった、調査しておく。」
こうして私は領主の館で教育を受けることになった。
これからどうなるんだろう?