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前世で魔法使いだった俺、異世界で美少女になる  作者: マーベ
5章 研究都市の変人
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129話 精霊の基礎知識

研究室から帰った次の日、アリュールは教官室に呼び出されていた。

「私が一緒に来る必要あります?」

「お願い!一人だと心細いから。じゃあ行こう!」

「はぁ、しょうがないですね。」


「お、来たか。メイも来たのか。まあ、いいか。アリュール、ニコラス先生から研究に参加しないかって誘われたらしいな。俺はお前が参加したいっていうなら許可するつもりだ。」

「それっていつやるんでしょうか。」

「お前に合わせるってさ。でも、放課後に残れとは言わない人だから何かの授業の代わりになると思うぞ。」

「アリュール、なら剣術の授業の代わりにしましょう。」

「そうなの?魔法はダメなの?」

「もともと剣術が得意という訳ではないでしょ?それに魔法の効果は知っていて損することはありません。」

「なるほど、じゃあ剣術の代わりに参加します!」

「そうか。分かった。」

「私も参加していいでしょうか。」

「お前もか?いいぞ。」

「メイちゃんも来てくれるの?」

「そっちの方が面白そうなので。それに私、剣術の授業受ける必要あります?」

「無いな。俺より強いんだ、どうしようかと思ってた。主に誰が相手すればいいんだろって。」

「メイちゃんが来てくれるなら百人力だよ!」



私たちは昨日の研究室に行き、ドアをノックする。

「失礼しまーす。」

「来たね。ん、君も来たのか。」

「はい。メイと言います。よろしくお願いします。」

「いいだろう。二人きりだと変な勘ぐりをされるかもしれないと思っていたんだ。」

「それで何をするんですか。」

「ああそうだね。時間は有限だ。早速だが、精霊について話していこうか。まずはどんなものか分からないとやりようがないからね。」

「精霊術を使うんじゃないんだ。」

「それよりも先に基礎を固めておかないとね。じゃあ、まずは精霊がどんな存在かだ。分かるかな。」

「どんな?」

「精霊とは自然に満ちる力が具現化した存在です。」

「正解だ。ようは、精霊術とは自然の力を借りているにすぎないんだ。簡単に言うと精霊を雑に扱うと力を貸してくれなくなるということだ。」

「そうなんだ。」



「さて、座学はこれくらいにして、実践してみようか。」

「実践?」

「こんなところで大丈夫ですか?」

「水の玉を作るだけだから大丈夫さ。さあ、イメージして、毎朝顔を洗う冷たい水を。僕の後に唱えるんだ、『我は望む、母なる水を生み出したまえ』」

「わ、『我は望む、母なる水を生み出したまえ』!」

ニコラスの目の前にはハンドボールサイズの水の玉が出来上がったが、アリュールの前には人の全身がすっぽりと収まる大きさの水の玉が出来上がっていた。

「なぜこんなことになるのか。」

「私にこんなことができるなんて。」

「消し方はこうだ。『消失』」

「『消失』!精霊術だとこうなるんだ。」

「今まで、魔法の発動を精霊が抑えていたからでしょう。」

「どうしてそんなことをするの?」

「アリュールの気を引きたかったのでしょう。精霊の存在に気付いていなかったので、意味はありませんでしたが。」

「あんな簡単な術で、あわや大惨事を引き起こしかけるとは、少し油断していたな。次は外で集まることにしようか。今日は解散だ。」

ニコラスの研究室は本などの水に濡れてはいけない物が散乱していたので、大惨事になりかけていた。

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