12話 決意
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ありがとうございます!
どうもメイです。体の損傷が大きすぎて、回復した魔力をすべて体の治癒に回しています。
そのせいで、意識はあるのにまったく体を動かすことができません。
パパは私が死んでしまうのではないかと心配しているようですが、あと数日こうしていれば完治するので、心配はいりません。
私はなぜ敬語で言い訳をしているのだろう?
とりあえず、あの後怪我をしていた私は教会に連れてこられ、治癒術を受けて寝かされている。
その後、街の執政官が誰が炎龍を倒したのか聞いて回っていたらしい。
ばれたら面倒なことになりそうだ。...村人たちがチクったりしないよな?仲間意識信じてるぞ?
執政官がやって来て言った。「この子ですか、炎龍を倒したのは。」
「そんなわけないじゃないですか。この子はまだ7歳ですよ?」
パパが私のことを庇おうとしてくれている。
「たくさんの人間が銀髪の少女が戦っているのを見たと証言しています。それに、あなたの村の者たちもメイという少女が戦っていたと証言しました。」
あの野郎!チクりやがった!あんな奴ら信じるんじゃなかった。勝手に裏切られた気分になってるよ。
「炎龍を倒したとなれば、金も名誉も好きなだけ与えられます。どうしてそんな嘘をつくのですか。」
「私たちは少しの金と土地があれば良いのです。過度な金や名誉は身を滅ぼすことになってしまいます。私たちは平穏に暮らせれば満足しているのです。」
「はぁ、そこの娘もまだ眠ったままのようですし、また見舞いに来ます。」
パパよ、その言い方は私が倒したことを認めているぞ。
執政官のところに行かないといけないのかなぁ。
ちなみに執政官が持ってきた見舞いの品は無難にフルーツの盛り合わせだった。
ピクリッ。
う~ん。ふぁぁ、ようやく動けるようになったよ。
グウゥ~。お腹減ったな、喉も渇いたし、数日何も口に入れてないからな。
今夜だから誰も起きてないし、このフルーツ食べて良いかな?
良いか、もらった物だし、食べちゃおう。
ん~!渇いた喉と空きっ腹に染み渡る!
ふぅ。お腹いっぱいだ。こんなにおいしいフルーツ、前世でも食べたこと無いかもっていうくらい美味しかった。
あ、パパ起きた。おはよう
「おはようじゃないだろ。全く。」
「私、執政官ていう人が来てたこと知ってるよ。眠りながらきいてたの。」
「そうか、どうするつもりなんだ。」
「その執政官のところ一度行こうと思ってる。」
「良いんだな?」
「私、目的を達成するためならどんな物でも利用するって決めたの。向こうが私を利用するなら、私も利用するそれだけのこと。」
「メイは強いな。」
「私は強くない。ただ諦めずにもがいているだけ。」
そうして、私とパパは執政官のいる屋敷まで行くことにした。