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幕末に生き、悪者と呼ばれた彼の真実

作者: 巫月

「ペリーが来航した。これが俗に言う黒船来航ってやつだ。」


眠たい…。お昼ご飯を食べた後の授業って、どうしてこんなに眠たいのかしら。うとうとしていたせいで、落ちてきそうになっていた眼鏡を指で押し上げる。高校生になってまで眼鏡をかけている女の子なんて少数だ。中学生の頃から徐々にコンタクトレンズにみんな惹かれていって、最終的に眼鏡をかけている子はクラスで一人いるかいないか、くらいの人数になってしまった。

それはそう、みんな新しい物が好きだから。スマートフォン、テレビなどなど、現代は様々なもので満ち溢れていて、本当に便利な世の中だと思う。でも何か物足りない。何かを通さないと何も見ることができない。スマートフォンで見るニュースはマスコミが見たもの、テレビで噂のあの芸能人とは私は一回も会ったことがない。


「江戸幕府が行った政策に反対する者たちを井伊直弼らが弾圧した事件、これを安政の大獄という。まあこれがきっかけで、現在に渡っても悪役として描かれることが多いっていうわけだな。」


ぼー、っとしている間に随分授業が進んでいたようだ。確かに先生が言った通り、昔私が見ていたドラマでも井伊直弼は主人公の悪役として描かれていた。でも、全ての人の意見が一致するなんてありえないこと。そう、私がたまたま見ていたドラマの主人公と井伊直弼の意見が違っただけ、それだけで彼を悪役に仕立て上げるのはおかしいんじゃないかしら。彼が本当はどんな人だったかなんて、今を生きている私達には知りようがないのに。


ため息をつきながら教科書をめくっていた私は、謎の煙に包まれていることに気付くのに時間がかかってしまう。煙がしみて目が痛く、思わず目を閉じた私が次に目を開けた場所は見知らぬ世界だった。目に入ったのは刀を身に着けている武士らしき人たち。まるで江戸時代にタイムスリップしたかのよう…。でも何やら慌ただしい。大きい黒い船、外国人などの言葉が周りの人たちの間で行き交っている。まさか、はっとしてある方向を見ると、そこには大きな黒い船が四隻泊まっていた。幕末に私はいるの?いいえ、現実的に考えてそんなことありえない。でも確かに私はここにいる。なら、するべきことは一つでしょ。自分の目で真実を見なきゃ。知らない世界に放り込まれた私の心は、これから見ることができるかもしれない本当の真実に胸を踊らせながら歩き始めた。







この小説は、普段日本史の授業を受けている私が実際に考えていることを文章にしたものです。「小説家になろうラジオ」のノミネート作品に選定された場合、下野紘さん、巽悠衣子さんが朗読をしてくださるということで、恥ずかしながら初めて小説を投稿致しました。今まで自分一人でこっそり書くことはあっても、どなたかに見せたことはなかったのですごく緊張しています。最後に、ここまで読んでくださった方々本当にありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] このあと本題に入るのでしょうか?ウチの先祖が彦根藩士だったのでどういう風に描かれるのか興味が有ります。
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