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第2話 フードの人物
「まって‼︎」
息を切らせながらこちらへかけてくる小さな人影。フードを深くかぶっていて顔はよく見えない。
「間に合った…」
間近でみるとその人物は想像以上に小柄だった。背丈は小学一年生ほど、少年とも少女ともつかない骨格にまだ幼さを残している。
「君は一体ー?」
「いいからこっち!」
言われるがままに一歩踏み出すと、さっきまで立っていた地面が抉られた。
「僕らに気がつくだなんて君ら凄いじゃないか」
「邪魔しやがって…このクソガキ…」
まだ煙の立ちのぼる銃を持った男と戦斧を構えた男。身なりは整っていてただのチンピラには見えない。
「この人に危害を加えないでください!」
「そうもいかねえんだ、このクエストを達成すれば大金が手に入るからな」
クエスト?という事はギルドの人間か。
国の方から僕を殺せと依頼がでている?
フードの人物が僕の方に体を向けた。
「私と手を繋いで!早く!」
懇願するように差し出された 握り潰せてしまいそうなほど小さな手をしっかりと掴む。
「いい?いきますよっ」
フードの下から少し光が漏れた気がした
次の瞬間 突風が吹き抜けて、世界が加速した。